現代文化学専攻

科学哲学科学史専修

科学とはなんだろうか、仮説はいかにして知識となるか、科学はどのように発展してきた。哲学と歴史学の視点からアプローチし、科学の認識論、学説史、科学 と社会の関わりなどについて考察する。

伊藤 和行 教 授 科学史
伊勢田哲治 准教授 科学哲学

文学部受験生向けメッセージ

わたしたちの研究室でやっていることは、もっとも大まかにいえば、「科学とは何だろうか、仮説はいかにして知識となるか、科学はどのように発展してきた か」といった問いを掘り下げることです。もう少し堅苦しくいえば、現代文化の不可欠な一部である科学について、哲学と歴史学の視点からアプローチし、科学の認識論、学説史、そして科学と社会の関わりについても考察をめぐらす、ということになるでしょう。
近代科学が成立してすでに4世紀近くになりますが、その間科学はいろいろな分野で目覚ま しい進展を遂げ、現代文化の重要な一分野を形成しています。わたしたしたちの研究室では「科学とは何だろうか」という基本的な問いをテーマとしますが、 科学的営みの実際の姿を歴史をたどって明らかにするのが科学史の課題であり、 科学的知識の成り立ちとあるべき姿を探るのは科学哲学の課題です。進化論や相対性理論といった具体的な科学理論においても、基本的なところにさかのぼっ ていけば哲学的な問題が隠れています。歴史的に有名な科学者たちの思考法も、現代の教科書に書かれていることとはずいぶん違っています。こういったこと を調べていくことによって、科学についてのわたしたちの理解は一段と深まるでしょう。また、科学と技術との区別と関係、科学および技術と社会との関わり を論じることも重要な研究課題の一つとなります。理科系の知識と人文系の訓練とがともに必要であり、おもしろい課題がゴロゴロと転がっているこの分野に チャレンジしてみようという方はいませんか?

大学院研究科受験生向けメッセージ

教 授 伊藤 和行 西欧科学史
准教授 伊勢田哲治 科学哲学

本専修は、「科学とは何だろうか」という問いに哲学と科学史の二つの観点から答えることを目指す、日本では数少ない科学哲学科学史の専門家養成機関として新設された。専任のスタッフだけではカバーしきれない領域については、非常勤講師を招いて、広く科学哲学および科学史の問題が扱えるように配慮している。本専修の第一の特色は、科学哲学と科学史の両分野が研究の両輪となっている点である。科学哲学においては、論理的分析の重視、科学の具体的な題材(たとえば統計力学、進化論、空間・時間)に即した哲学的問題の重視、科学上の古典的著作の原典読解を踏まえた現代的な問題の追求が挙げられる。また科学史においては、ルネサンス以降の近代西洋科学の理論史的考察を中心に、原典批判に基づいた個別研究を踏まえた、哲学的視点の下での歴史的な科学像の探求が挙げられる。

大学院生に要求される条件は、この専修で研究を進めるためには、科学の学説内容を理解できるだけの科学的知識だけではなく、語学力や文献解読の能力という人文学特有の能力も必須だということである。科学を知らずに科学哲学や科学史をやることが無謀であると同様、科学の古典的著作を読みこなすための人文学的素養を軽視することも無謀である。たとえば、18世紀以前の西欧科学を研究するためにはラテン語は必修である。研究テーマによっては、その他の言語を修める必要が出てくるかもしれない。似たようなことは科学哲学についても言えよう。時間と空間の哲学をやるには相対論を学ばずにすませることはできないし、 19世紀以降の科学哲学の歩みを検討するときには確率論の知識が絶対に必要である。修士課程に入る段階でこういった条件が満たされていることは難しいかもしれないが、その条件を自分の研究の必要に応じて将来満たしていくだけの心構えと根気があることは期待される。それだけの努力に値する学際的で面白い問題がたくさん見出されるのがこの研究分野なのである。