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研究科長挨拶

人文学の研究・教育拠点へようこそ

京都大学大学院文学研究科・文学部のホームページにようこそおいでくださいました。

文学部とその大学院である文学研究科において教育・研究されているのは「人文学」(the humanities)と総称される学問ですが、私たちの学部や大学院では「人文学」の定義は広く、哲学・歴史・語学・文学に加えて、社会学など「社会科学」に分類されることが多い諸学や心理学・科学史のような理系と方法的に変わらぬ学問も含めており、非常に幅広い学問領域の研究と教育を実施しています。

京都大学文学部と大学院文学研究科は、創設以来すでに110年を越える歴史を刻んでいます。その間、多くの卒業生が様々な分野で活躍してきました。人文学を担う研究者として学界を牽引し、教育や報道・出版などの方面で力を発揮しているのはよく知られていますが、近年では、法・経済学部と変わらぬほど公務員や一般企業社員として社会に羽ばたいてもおります。

歴史ある私たちの文学部・文学研究科ですが、開設以来の伝統を大切にしつつも、つねに検証と発展に心がけてきました。京都大学文学部と大学院文学研究科の前進である京都帝国大学文科大学が開設されたのは、明治39(1906)年9月のことです。開設当初は哲学科、史学科、文学科の3学科編成をとり、千年の都、京都に所在する大学に相応しい特色ある教育・研究体制を整えて発展してきました。その方針は今日でも大切に維持されています。守るべき価値あるあり方と時代とともに変化していくべき姿とを見極めながら、日本を代表する研究型大学の人文学研究・教育の拠点として、国内外に高い独自性を主張できる存在であるよう活動しています。

3学科体制から始まった京都大学文学部は、21世紀初頭の現在、大学院大学として文献文化学、思想文化学、歴史文化学、行動文化学、現代文化学、国際連携文化越境の6つの専攻とそれに属する30を超える研究分野(専修)から成り立っています。国際連携文化越境専攻は、平成29(2017)年に開設されたばかりの、京都大学とドイツ最古の大学であるハイデルベルク大学との連携によるジョイント・ディグリー修士課程であり、所属する大学院生が日本とドイツで各1年学び、修士論文を提出して両大学連名の学位記を授与される教育プログラムとなっています。激動する世界の様々な分野において主導的な役割を果たすことができる人材を養成する専攻ですが、それ以外の5つの専攻においても、明治以来の学的伝統を継承しつつ、新たな時代を切り開く人材の養成に励んでいます。

私たちの文学部と大学院文学研究科は、古都、京都にあって、日本やアジアに関わる学問の研究に優れた業績をあげてきたことはつとに知られておりますが、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカなどアジア以外の世界各地に関する研究にも、また地域に関わらない学問領域においても、学界に大きな貢献をしてきました。今後も、日本の人文学を牽引し国際的にもより大きな学的貢献ができるように努力いたします。教員は、高い水準の研究現場で学生諸君とともに学びながら、「人間性を陶冶する」という人文学の原点を忘れることなく、高い独創性を持って多様な学問分野を発展させ、同時に人材を育成したいと考えています。

今日、グローバル化への対応が大学に求められていますが、私たちは、実態を離れてイデオロギー化した「グローバル化」に振り回されることなく、日本、京都の地で発展し蓄積された知の体系を強みとして、真に世界に貢献できる研究と教育を担ってまいります。多くの方々が私たちの学部、大学院の活動をご理解くださり、ともに学ぶ仲間になってくださるように切に願っております。

 

平成30(2018)年4月

大学院文学研究科研究科長・文学部長
南川高志