講義案内

講義案内(平成29年度後期)

タイ族仏塔(中国雲南省)

タイ族仏塔(中国雲南省)

 

 

時間割(平成29年度前期)

特殊講義
宮宅
特殊講義
矢木
特殊講義
岩井
特殊講義
石川
特殊講義
特殊講義
演習
村上
特殊講義
高嶋
演習
高嶋
特殊講義
太田
特殊講義
江田
演習
吉本
特殊講義
浅原
特殊講義
中砂
特殊講義
吉本
演習(院)
中砂
演習
中砂
演習(院)
吉本
集中

 

※(学部)は学部生のみ、(院)は原則大学院生のみの科目。

講義内容【特殊講義】

石川禎浩 中国現代史特殊講義

(授業の概要・目的)
中国現代史に大きな影響を与えた毛沢東にかんして、その伝記的検討を行い、毛沢東についてのイメージ生成や評価、および関連資料の収集や編纂がどのように行われてきたかについての理解を深める。

(授業計画と内容)
第1回 毛沢東研究に関する基本的図書の紹介
第2-4回 初期の毛沢東(1893-1921)
第5-7回 共産党員としての毛沢東(1921-1934)
第8-10回 共産党指導者としての毛沢東(1935-1949)
第11-12回 エドガー・スノウ『中国の赤い星』以前の毛沢東イメージ
第13-15回 エドガー・スノウ『中国の赤い星』の中の毛沢東イメージ
第16回 フィードバック

中砂明徳 アレッサンドロ・ヴァリニャーノ

(授業の概要・目的)
ヴァリニャーノはイエズス会のアジア方面の巡察師として、日本・中国の布教方針を策定したことでよく知られ、その現地文化への「適応」方針が高く評価されており、彼をめぐる論著は非常に多い。しかし、それらの研究の重心は彼が来日し、天正少年使節とともにいったん日本を去ってインドに戻るまでの時期にあって、それ以後についてはさほど注目されていない。
 この授業は、ヴァリニャーノの著述、とりわけ、今のところ、日本語(そして英語)に翻訳されていない彼の著作に注目して、その内容を解説し、彼の布教構想をトータルにとらえることを目的とする。

(授業計画と内容)
1回目 ヴァリニャーノ研究の現状
2回目 ヴァリニャーノの軌跡
3・4回目 『インド諸事要録』
5回目 『日本のカテキズモ』
6回目 『日本イエズス会士礼法指針』 
7回目 『東インドイエズス会興隆史』
8・9回目『日本諸事要録・補遺』
10~13回目『弁駁書』
14回目 まとめ

宮宅潔 里耶秦簡を読む

(授業の概要・目的)
中国湖南省龍山県里耶鎮で戦国時代から漢代にかけて使用された都城遺跡が発掘され、そこから秦の行政文書を中心とする簡牘史料が発見されたのは、2002年のことであった。本講義ではこの史料を紹介しながら、秦の地方統治制度や、占領支配の実像について講義する。

(授業計画と内容)
1.ガイダンス
2.遷陵県の概観
3.戸口管理
4.官僚機構
5.刑徒管理
6.軍事組織

初回のガイダンスの後、各単元を2~3回に分けて講義する。

承志 マンジュ語文書を読む

(授業の概要・目的)
この授業では、マンジュ語文語の資料をもとにマンジュ語の中級文法を学ぶ。これによって、マンジュ語文語で書かれた文書資料を読解し、ローマ字転写、翻訳などの基本的な方法を習得する。後期の授業では原文書が読めることを目的とする。

(授業計画と内容)
第1回 マンジュ語文書の研究史紹介とその研究意義
第2回~第9回 マンジュ語文書の読解
第10回~14回 マンジュ語文書の検討
第15回 まとめ

太田出 東・東南アジアにおける国民国家の形成と船上生活漁民

(授業の概要・目的)
東・東南アジアにおける国民国家の形成と船上生活漁民について、文献史料とフィールドワークから考えてみる。内水面や外洋で漂泊・漁撈する船上生活漁民は、東・東南アジアの歴史学・文化人類学の重要な研究対象とされてきた。彼らは日本列島をはじめ、朝鮮半島、中国、香港、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシアなど広範囲に分布していた。本授業では、これら船上生活漁民の実態を中国、日本を中心に文献史料を用いつつ歴史的に明らかにし、かつ彼らの現在についてもフィールドワークを用いながら検討してみたいと思う。陸上の民とは異なる水上の民の生活・信仰・社会を追うことで、人類の文化の多様性について理解を深めてもらいたい。

(授業計画と内容)
第1回:ガイダンス
第2回:東・東南アジア研究と「漂海民」研究
第3回:歴史学における文献史料とフィールドワーク
第4回:中国の船上生活漁民(1)──前近代の文献史料中に見える船上生活漁民
第5回:中国の船上生活漁民(2)──犯罪者、被差別民としての船上生活漁民
第6回:中国の船上生活漁民(3)──近代の到来と国家による掌握
第7回:中国の船上生活漁民(4)──市場町の魚行との経済的関係
第8回:中国の船上生活漁民(5)──漁業的社会主義改造と陸上がり
第9回:中国の船上生活漁民(6)──生き続ける「伝統」的紐帯
第10回:日本の船上生活漁民(1)──エブネ、エフネ、エンブ
第11回:日本の船上生活漁民(2)──広島県豊島を事例に
第12回:東南アジアの船上生活漁民(1)──Orang-laut、Mawken
第13回:東南アジアの船上生活漁民(2)──Bajau
第14回:近代国民国家の領海問題と漁民
第15回:おわりに

浅原達郎 説文解字(字音)

(授業の概要・目的)
清代の学者による説文解字の注釈を,とくに字音に重点を置いて読みながら,古文字学の基礎となるべき説文解字の読み方を探る。

(授業計画と内容)
ひたすらていねいに読むことを心がけるが,ただ,出土文字資料との関連には留意したい。説文解字のどの文字を読むかは,受講者の希望を聞いて決める。テキストには,段玉裁『説文解字注』(経韻楼本)を用いる。受講者おのおのが一冊準備して持参することを前提とする。講義の進め方の詳細については,初回の授業で説明する。

吉本道雅 繋年研究序説

(授業の概要・目的)
2011年に公刊された清華簡『繋年』は西周時代から戦国前期の歴史を23章にまとめた紀事本末体の史書である。その成書はおおむね前4世紀後半と推定され、西周時代・戦国時代前期については伝世文献に見えない独自の記述を含む。『繋年』を分析することで、戦国時代における歴史記述・歴史認識のありかたを概観する。

(授業計画と内容)
以下の項目を逐次論ずる・
第1回~第3回 戦国楚簡の概観
第4回~第6回  西周時代の記述:『繋年』第1~第4章
第7回~第11回 春秋時代の記述:『繋年』第5~第19章
第12回~第14回 戦国時代の記述:『繋年』第20~第23章
*フィードバック方法は授業中に説明する。

辻正博 唐宋法制史料要説

(授業の概要・目的)
唐宋時代の主要な法制史料について解説を加えるとともに、代表的な箇所を選読する。日本古代の政治制度にも大きな影響を与えた唐代の律令格式について理解を深めるとともに、宋代の法制がどのように唐制を発展的に継承したかについても探究してほしい。

(授業計画と内容)
以下のそれぞれテーマについて、おおむね2週を目途に講義を進める。
 なお、初回授業(ガイダンス)時に、学期の授業計画および講義で必要される諸事項について説明を行うので、必ず出席すること。
1)唐律と律疏
2)宋刑統
3)『唐令拾遺』と『唐令拾遺補』
4)唐の格・式
 戸部格
 水部式
5)天聖令
6)慶元条法事類

江田憲治 

(授業の概要・目的)
本授業では、東アジア、とくに中国の政治制度や思想を対象領域とし、研究論文・研究書、一次史料を素材としたゼミ形式の授業を行う。
 先行研究の取り扱いや一次史料の収集・利用についての必要な陶冶を行い、研究発表の訓練を行うことが目的である。

(授業計画と内容)
①ガイダンス
②中国現代政治史概説
③中国現代政治史についての研究紹介 
④研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑤研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑥研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑦研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑧一次史料を素材としたゼミ
⑨一次史料を素材としたゼミ
⑩一次史料を素材としたゼミ
⑪一次史料を素材としたゼミ
⑫一次史料を素材としたゼミ
⑬一次史料を素材としたゼミ

矢木毅 朝鮮史詳説(近世篇4)

(授業の概要・目的)
朝鮮後期(17~19世紀)における政治史・外交史を概観し、近世朝鮮社会の特質について考察する。漢文史料の読解能力を高めるとともに、東アジア世界との連関のもとに朝鮮半島の歴史について深く理解することを目的とする。

(授業計画と内容)
後期は高宗朝における開化政策の展開とその挫折について考察する。主な話題は次のとおり(各テーマについて3~4週の授業をする予定)。

(高宗朝)
・丙寅の教難と洋擾(1866)
・辛未洋擾(1871)
・壬午軍乱(1882)
・甲午更張(1894)

岩井茂樹 前近代の外交と文書資料 Ⅳ

(授業の概要・目的)
中国では官府の保存公文書を「案巻」などと称していた。清朝時代にはあらたに「档案」という用語が使われるようになった。案巻や档案は史書や地方誌の編纂のさいに利用されることはあったものの,朝廷の内閣大庫や地方官衙の架閣庫などに保管され,公開利用などの制度はなかった。1920年代末に内閣大庫の档案が市中に流出する事件が起こってから,あらためてその価値が認識され,保存措置が講じられるとともに,1930年代以降,中央研究院などによる組織的な研究が開始された。今日にいたるまで中国・台湾ですすめられた档案資料の整理・出版は,档案資料の利用におおきな利便をもたらしている。
一方,日本では外國との文書のやりとりのさいに前例を参照する「勘文」の手続きがおこなわれ,その必要から記録が作成された。また,漢文による外交文書を作成するうえでの便宜から過去の文書例を編纂することがおこなわれた。
このようにして伝存した文書資料を利用するための知識と,そこから得られる情報の分析の方法について学ぶ。

(授業計画と内容)
「前近代の外交と文書資料Ⅲ」にひきつづき,江戸幕府が編纂した『通航一覧』および琉球国で編纂された対外関係文書集『歴代宝案』を紹介するとちもに,それらの所収文書や関連資料の釈読を通じて,前近代東アジアの通交の歴史を考察する。
1.『通航一覧』と琉球関係資料(第1~2週)
2.『歴代宝案』および中琉関係档案資料など外交文書の選読(第3~14週)

高嶋航 近現代中国とスポーツ

(授業の概要・目的)
近現代中国のスポーツに関する種々の問題をジェンダーの視点も交えて検討する。

(授業計画と内容)
以下の各項目について講述する。各項目の講義の順序は固定したものではなく、担当者の講義方針と受講者の背景や理解の状況に応じて、講義担当者が適切に決める。
1-3.スポーツの伝播・受容
4-6.スポーツの発展
7-9.スポーツの表象
10-14.スポーツと政策

講義内容【演習】

高嶋航 梁啓超『飲冰室合集』選読

(授業の概要・目的)
梁啓超の文集『飲冰室合集』から重要な文章を選読する。

(授業計画と内容)
精読と多読を併用する。大学院生には毎回『飲冰室合集』から文章一篇を選んでその趣旨や関連事項を説明してもらい、質疑に応えてもらう。 初回はガイダンスで二回目から読み進める。

中砂明徳 外国語論文のレビュー

(授業の概要・目的)
この授業では、受講者が自らの関心にしたがって外国語(受講者にとっての外国語。英語でも、中国語でも、他の言語でもよい)の論文を選んで、その内容を紹介するととともに、その論文の学界における位置づけを参加者(講師も含む)にわかりやすいように行う。
 かつては、言語ごとに論文のスタイルはずいぶん異なっていた。現在でも、日本語、中国語、英語それぞれ特有の「癖」は存在するが、英語論文の影響により、かなり平準化してきている。外国語論文を読むことで、ある種のスタンダードを知るとともに、その問題点を個々の受講者が感じ取るようになれば、この授業の目的は達成される。

(授業計画と内容)
1回 全体の趣旨説明
2回以下 受講者が1回分を担当する。時間の半分を論文の紹介、評にあて、残り半分の時間で、出席者全員による質疑応答を行う。受講者の数が少なければ、何度も当番が回ってくる。1人なら13回ということにもなる。

中砂明徳 明人の文集を読む

(授業の概要・目的)
 明末に『武備志』という浩瀚な兵書を著したことで知られる茅元儀の文集『石民四十集』を読む。科挙に挫折し、進士になれなかった彼は、策士・軍事通として有力政治家や皇帝に文章によって売り込みをかけた。その文章は、「憂国の士人が熱誠を尽くす」といった単純なものではなく、屈曲に満ち満ちていて、たいへん読みづらい。しかし、だからこそ魅力的でもある。特異ではあるが、ある意味では明末の風気をよく映し出した文章でもある。
 今年は、売り込みがようやく高官の目にとまり、満洲人との実戦の場に彼が乗り出してゆく時期の文章(その大半は要人への書簡)を読む。

(授業計画と内容)
1回 茅元儀の生涯について簡単に説明し、前年に読んだ文章について簡単に紹介する。
2~6回   天啓二年(1622)の書簡
7回     同三年の書簡
8,9回   同四年の書簡
10回    同五年の書簡
11回    同六年の書簡
12回    同七年の書簡
13,14回 崇禎帝への上疏

村上衛 在中国イギリス領事報告を読む

(授業の概要・目的)
中国近代の社会・経済に関する英文史料を精読する。英文史料を読むことによって、イギリス人などの外からの目を利用しつつ、中国近代社会経済史に対する理解を深める。

(授業計画と内容)
イギリス外交文書のうち、在中国イギリス領事の報告(FO228)を精読する。具体的には、中国における華人関係の紛争など、主として社会に関わる紛争を取り上げる。必要に応じてFO228に含まれている英文史料に対応する漢文史料も読む。なお、史料の内容は非常に細かいものが多いため、講義形式の解説を加え、史料を中国近代史の中に位置づけていく。
各回の計画としては、1~2回目の授業で史料について解説を行った後,3回目以降は担当者を決めて史料を読み進めていく予定である。

吉本道雅  『春秋左伝正義』

(授業の概要・目的)
十三経注疏の一つである『春秋左伝正義』を精読する。

(授業計画と内容)
前期の続き。魯の年代記の形式を採る『春秋』と、その注釈書の形式を採る『左伝』は春秋時代を研究するための基本的な資料である。『春秋』『左伝』の成立過程については今なお活発な議論が進行中である。『左伝』には、西晋・杜預の『春秋経伝集解』、唐・孔頴達の『正義』が附されている。本演習では『正義』を精読することで、漢文を文法的に正確に読解する能力を養うとともに、『正義』の引用する唐代以前の諸文献を調査し、また『正義』の論理構成に習熟することによって、経学の基本的な方法論を理解する。また、先秦期の文献・出土資料を全面的に参照することによって、『春秋』『左伝』の成立過程についても考察し、先秦史研究の資料学的素養を身につける。
第1回~第14回 『春秋左傳正義』の輪読
*フィードバック方法は授業中に説明する。

吉本道雅  中国古代史史料学

(授業の概要・目的)
楊寛『戦国史料編年輯證』を輪読し、関連史料・研究を批判的に検討する。

(授業計画と内容)
前期の続き。従来の戦国史(453-221BC)研究は、戦国後期の秦史に偏しており、戦国前・中期や六国については、資料の絶対量の乏しさに加えて、『史記』紀年の混乱が、歴史的推移の時系列的把握を困難にしてきた。1990年代以降の戦国楚簡の出現は、とりわけ思想史的研究を活発化させているが、かえって文献に対する研究の立ち後れを露呈させている。本演習では、楊寛『戦国史料編年輯證』(上海人民出版社、2001/台湾商務印書館、2002)を輪読し、関連史料・研究を批判的に検討することによって、中国古代史研究に関わる文献・出土文字資料・考古学的資料の運用能力を向上させる。
第1回~第14回 『戦国史料編年輯証』の輪読
*フィードバック方法は授業中に説明する。