2022年度の授業

日本哲学史研究室ホーム

講  義

教官 上原 麻有子 種別 講義 学部(2回生以上)
曜日・時限 前期 火・5 教室 総合研究2号館 第8講義室
題目 日本哲学史講義1
概要・目的 日本哲学史を①西田幾多郎、②近代日本哲学の発展から京都学派の哲学への二部に分けて日本哲学の形成過程を概観し、さらに、これまで論じられてきた主要問題を通して日本哲学のあり方、意義について検討する。このようにして日本哲学史についての理解を深めることが、授業の目的である。
内容 以下のような課題に基づき、授業を進める予定である。
1 ガイダンス:「日本哲学」の現状
2 西田幾多郎の哲学1
3 西田幾多郎の哲学2
4 西田幾多郎の哲学3
5 西田幾多郎の哲学4
6 明治期から西田幾多郎までの日本哲学史概要
7 明治期から西田幾多郎までの日本哲学史概要
8 井上哲次郎の現象即実在論
9 清沢満之の仏教的哲学
10 平塚らいてうのフェミニズム
11 京都学派の哲学ー概要
12 三木清の哲学
13 戸坂潤の哲学
14 中井正一の哲学
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テキスト・参考文献 授業中に紹介する
教官 上原 麻有子 種別 講義 学部(2回生以上)
曜日・時限 後期 火・5 教室 総合研究2号館 第8講義室
題目 日本哲学史講義2
概要・目的 京都学派とその周辺の哲学者の思想を、いくつかのテーマを追う形で考察することが、この授業の目的である。さらに、講義で考察する日本哲学の問題が、私たち各自の経験においてどのような意義をもつのか、その経験とどのように結びつき得るのかについても検討する。
内容 以下のような日本哲学史上の主要問題を課題とし、授業を進める予定である。
1 ガイダンス
2 翻訳と言語:翻訳から見る哲学と近代日本の問題
3 翻訳と言語:西田幾多郎の翻訳論
4 翻訳と言語:和辻哲郎の「日本語と哲学の問題」
5 偶然と実存:九鬼周造ー1
6 偶然と実存:九鬼周造ー2
7 偶然と実存:九鬼周造ー3
8 偶然と実存:九鬼周造ー4
9 京都学派の論理:西田幾多郎ー1
10 京都学派の論理:西田幾多郎ー2
11 京都学派の論理:田辺元ー1
12 京都学派の論理:田辺元ー2
13 日本の倫理学:和辻哲郎ー1
14 日本の倫理学:和辻哲郎ー2
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テキスト・参考文献 授業中に紹介する

特殊講義

教官 上原 麻有子 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 後期 水・5 教室 文学部新館 第5講義室
題目 叡智的世界の哲学ー1感覚と感情
概要・目的 本講義は2022年度の前期と後期の二部構成で行う。前期は、西田幾多郎をはじめとする京都学派の哲学者における感覚と感情の理解を探り、さらに彼らの哲学理論が感覚・感情と表現方法との連関をどのようにつけたのか、確認することを目的とする。西田哲学の構造の中に位置づけられる叡智的世界に注目し、感覚と感情を「論理」という観点から検討することも、この講義の重要な課題である。また、表現方法は実に多様なものが想定されるが、講義では芸術表現を取り上げることにする。そこで、抽象度の高い哲学理論と表現という実践をいかに接続するのかを検討する。西田や田辺元の思想の抽象性の高さを克服するような叡智的世界の哲学の道を探ることも本講義の一つの目的である。
内容 以下のような課題を通して考察を深めてゆく。
1 ガイダンス―趣旨説明と授業計画
2 西田幾多郎における感覚と感情の理解ー①
3 西田幾多郎における感覚と感情の理解ー②
4 「場所」の叡智的世界に感覚と感情を位置づけるー①
5 「場所」の叡智的世界に感覚と感情を位置づけるー②
6 九鬼周造における感覚と感情の理解
7 三木清における感覚と感情の理解
8 中井正一における感覚と感情の理解
9 木村素衛における感覚と感情の理解
10 深田康算における感覚と感情の理解
11 感覚と感情の表現方法ー1
12 感覚と感情の表現方法ー2
13 理論と実践の問題ー抽象の克服-1
14 理論と実践の問題ー抽象の克服-2
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テキスト・参考文献 授業中に紹介する
教官 大河内 泰樹 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 後期 金・3 教室 文学部新館 第2講義室
題目 ヘーゲルの『精神現象学』における個人と社会
概要・目的 この授業では、講義担当者の翻訳にもとづいて、ヘーゲルの『精神の現象学』(1807)について講義する。扱うのは「理性章」BおよびCである。理性章では、自己意識章を通じて獲得された「一切の実在性である」という意識の確信から、意識章からの対象認識と自己意識の実践とがより高次の立場で捉え返されている。B、C節では特に社会共同体への個人の実践的関与のあり方について記述しており、社会哲学的にも、また行為論的にも興味深い議論が展開されている。そのテキストの検討を通じて、個人と社会、および近代社会についてのヘーゲルの見解を検討していく。
内容 第1回 ガイダンス
第2回 B.理性的自己意識の自分自身による実現
第3回 a. 快と必然性
第4回 b. 心の法則と自負の狂気
第5回 c.徳と世間
第6回 C. 自らにとって即かつ対自的に実在的な個体性
第7回 個体性
第8回 事そのもの
第9回 欺瞞
第10回 立法する理性
第11回 法を検証する理性
第12回 理性の到達点
第13回 行為論と道徳論
第14回 理性と精神
第15回 まとめ
テキスト・参考文献 『精神現象学』の翻訳については大河内の訳を配布するが、以下の翻訳も手元に置いておくとよいだろう。
樫山欽四郎訳『精神現象学上/下』平凡社ライブラリー、1997年
熊野純彦訳『精神現象学上/下』ちくま学芸文庫、2018年
以下の翻訳は詳細な解説も含んでおり参考になる。
金子武蔵訳『ヘーゲル全集5 精神の現象学 上/下』岩波書店、1979年また、『精神現象学』の概要について知りたい人には以下をお勧めする。
加藤尚武編『ヘーゲル「精神現象学」入門』講談社学術文庫、2012年
教官 上原 麻有子 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限
後期 水・5
教室 第2演習室
題目 叡智的世界の哲学ー2 音楽
概要・目的 本講義は「叡智的世界の哲学」の第2部であり、前期の講義の副題にあった「1感覚と感情」という課題に続き、 「音楽」に焦点を当てて考察する。西田幾多郎や田辺元の哲学の抽象性を克服するための思考について検討することを、一つの根本的検討事項とし、その一つの例として音楽におけるいくつかの問題を哲学理論、身体論、前期に考察した感情・感覚論の面から検討することを目的とする。感覚・感情の身体を通した表現のプロセスを、科学的方法、偶然的方法、即興的方法という観点から分析してみたい。
内容 以下のような課題を通して考察を深めてゆく。
1 ガイダンス―趣旨説明と授業計画
2 音楽性の問題ー概要
3 音楽性の問題ー西田幾多郎
3 音楽性の問題ー中井正一
4 音楽性の問題ー九鬼周造
5 音楽性の問題ー田辺元
6 ヴァレリーによる音楽の理論と実践ー1
7 ヴァレリーによる音楽の理論と実践ー2
8 哲学と音楽ー1
9 哲学と音楽ー2
10 哲学と音楽ー3
11 音楽の科学的方法・偶然的方法・即興的方法ー1
12 音楽の科学的方法・偶然的方法・即興的方法ー2
13 音楽の科学的方法・偶然的方法・即興的方法ー3
14 音楽の科学的方法・偶然的方法・即興的方法ー4
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テキスト・参考文献 授業中に紹介する
教官 杉村 靖彦 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限
後期 水・4
教室 第6講義室
題目 西谷宗教哲学の研究(2)
概要・目的 西谷啓治(1900-1990)は、西田、田辺の後の京都学派の第三世代を代表する哲学者であり、大乗仏教の伝統を換骨奪胎した「空の立場」から「ニヒリズム以後」の現代の思索の可能性を追究したその仕事は、没後30年を経て国内外で多方面からの関心を引きつつある。しかし、その全体を組織的に考察した本格的な研究は、まだほとんどないと言ってよい。
本講義は、この西谷宗教哲学の全体を通時的かつ網羅的に研究し、今後の土台となりうるような組織的な理解を形成しようとするものである。それによって、今日の宗教哲学がそこから何を受けつぐことができるかを、批判的に考究していくための拠点を手に入れることを目指す。
この研究は、昨年度後期から開始されたものであり、今期の授業はその続きであるが、来年度以降も後期の特殊講義をあて、数年かけて進めていく予定である。1924年の西谷の卒論を扱った昨年度に続いて、今年度は1930年代までの諸論考を主に扱っていきたい。
内容 以下の諸テーマについて、一つのテーマ当たり2~4回の授業をあてて講義する。
(「特殊講義」という、教員の研究の進展をダイレクトに反映させることを旨とする授業であるので、1回ごとの授業内容を細かく記すことはしない。また、以下の諸テーマにしても、細部については変更の可能性がある。)

1.導入―西谷宗教哲学の受け取り直しのために
2.卒論の到達点と西谷宗教哲学の端緒―昨年度の授業の要約
3.「悪の問題」への着手―西谷宗教哲学の導きの糸として
4.哲学的神秘主義と根源的主体性―前期西谷宗教哲学の二つの焦点
5.真に「現(Da)」なる処-『アリストテレス論攷』とハイデガーのアリストテレス論の並行的読解

なお、最後の授業は、本学期の講義内容全体をめぐる質疑応答と議論の場とし、講義内容の受講者へのフィードバックを図る。

テキスト・参考文献 授業中に紹介する
教官 直江 清隆 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 前期 集中講義 教室  未定
題目 廣松哲学とドイツ哲学
概要・目的 廣松渉は戦後を代表する哲学者の1人である。その独自の哲学は、関係の第一次性,事的世界観,四肢構造、共同主観性などのキー概念で知られ、その扱う主題も認識論、科学論、身体論、価値論、社会哲学など広範囲にわたっている。
本講義では廣松哲学における幾つかのトピックスを取り上げ、背景となるドイツ哲学と関連付けながら批判的に討究することにより、彼の哲学体系の一端を解きほぐしていくことを目指す。このことはまた、20世紀後半の日本哲学の動向を理解することに繋がるはずである。
内容 基本的に以下のプランに従って講義を進める。ただし講義の進みぐあい、受講者の関心などに応じて順序や同一テーマの回数などを変えることがある。
第1回  20世紀哲学と廣松哲学/『存在と意味』の体系構想
第2回  「もの」から「こと」へ 関数概念と関係主義
第3回   四肢構造論①  マッハの現象主義との対峙
第4回   四肢構造論②   
第5回   視覚的世界と身心の問題
第6回   表情的世界と身心の問題 
第7回   表情的世界と共同主観性
第8回   判断論の問題構成① 新カント学派
第9回   判断論の問題構成② 対象論、現象学など
第10回  判断をめぐる戦前日本哲学の遺構
第11回  学知的反省と当事者意識 
第12回  役割行為論
第13回  物象化論の射程①
第14回  物象化論の射程②
第15回  近代の超克?
テキスト・参考文献 廣松渉『世界の共同主観的存在構造』(岩波文庫 2017) ISBN:4003812417
廣松渉(熊野純彦編)『廣松渉哲学論集』(平凡社ライブラリー 2009) ISBN:4582766781
廣松渉『廣松渉著作集 第1巻-第15巻』(岩波書店 1996)
教官 板橋 勇仁 種別 特殊講義 1回生以上
曜日・時限 前期 集中講義 教室 未定
題目 身体論としての西田哲学の研究
概要・目的 後期西田哲学に身体論が展開されていることはよく知られている。しかしこの身体論に焦点を当てた研究成果はまだ多くない。なぜであろうか。西田哲学の出発点は処女作『善の研究』であるが、この『善の研究』にある身体論には注目されてこなかった。そして『善の研究』の身体論から理解してゆかない限り、後期西田哲学の身体論の意義とその射程も明らかにならないであろう。しかも西田哲学の身体論は一貫して、現代日本の身体を取り巻く状況に対して鋭い問題提起を突きつけてくる。初期・後期の西田哲学の身体論を理解し、それを現代の身体の状況と照らし合わせるために、以上の問題意識に基づいた拙著『こわばる身体がほどけるとき』を講読する。あわせて拙著が依拠する西田の著作をも具体的に検討し、そのうえで参加者で積極的に議論したい。拙著については、もう一度中心線を骨太に描き直すと共に、拙著には盛り込めなかった、多様な伏線をできる限り追ってみたい。
内容 第1回 ガイダンス
第2回 現代の身体の状況
第3回 『善の研究』における「経験の場」(1)
第4回 『善の研究』における「経験の場」(2)
第5回 『善の研究』における「身体」
第6回 『善の研究』における「唯一実在の分化発展」
第7回 『善の研究』における「主観的自己」と生
第8回 『善の研究』の身体論の持つ意義
第9回 前半のまとめと中期西田哲学
第10回 後期西田哲学における「経験の場」と「制作」(1)
第11回 後期西田哲学における「経験の場」と「制作」(2)
第12回 後期西田哲学における「身体」(1)
第13回 後期西田哲学における「身体」(2)
第14回 西田哲学の身体論の現代的意義(1)
第15回 西田哲学の身体論の現代的意義(2)
テキスト・参考文献 【教科書】
板橋勇仁『こわばる身体がほどけるとき』(現代書館)
西田幾多郎『善の研究』(岩波文庫)
【参考書等】
西田幾多郎『西田幾多郎哲学論集Ⅰ』(岩波文庫)
西田幾多郎『西田幾多郎哲学論集Ⅱ』(岩波文庫)
西田幾多郎『西田幾多郎哲学論集Ⅲ』(岩波文庫)
その他の文献については授業中に紹介する。

演  習

教官 上原 麻有子 種別 演習 学部(4回生以上
曜日・時限 通年不定 教室  日本哲学史研究室
題目 卒論演習
概要・目的 授業の目的は次の通りとする。①日本哲学の分野における論文の書き方(表現、論証、資料の調査・活用など)を習得する。②研究報告を行い、口頭による発表・議論の仕方を習得する。③卒業論文を作成する。
内容 授業は、履修者の卒業研究発表とそれに関する議論をもとに進められる。前期の初回はまず、学術論文の書き方について教師の側から指導する。以降、履修者は前期に研究経過報告を、また後期には最終的な報告を、それぞれ口頭で行う。後期の授業終了後の翌週の15回目は、フィードバックの回とする。
テキスト・参考文献 授業中に紹介する
その他 日本哲学史専修の4回生以上については、必修とする。
教官 上原 麻有子 種別 演習Ⅱ
曜日・時限 通年不定 教室  日本哲学史研究室
題目 日本哲学の諸問題
概要・目的 この授業では、日本哲学の主要概念やテーマの理解を深め、また諸問題を自ら新しく掘り起こすことを目的とする。そのために、テキストの読解、研究の口頭発表という二つの方法によって訓練を行う。前期の読解の部では、英語で執筆された文献も取り入れ、同一概念の二言語による説明を理解することで、その本質的な意味や問題点を探究することを目指す。
内容 この授業は、以下の二部で構成される。
前期…I 日本哲学の文献の読解
1 ガイダンス: 読解は担当制とする。読解用の文献を選ぶ。研究発表の担当を決める。
2-3 西田幾多郎の「場所」 とその英訳の読解ー①
4-5 西田幾多郎の「場所」 とその英訳の読解ー②
6-7 西田幾多郎の「場所」 とその英訳の読解ー③
8-9 西田幾多郎の「場所」 とその英訳の読解ー④
10-11 西田幾多郎の「行為的直観」 とその英訳の読解ー①
12-13 西田幾多郎の「行為的直観」 とその英訳の読解ー②
14-15 西田幾多郎の「行為的直観」 とその英訳の読解ー③

後期…II 参加者の研究発表
毎回:一名が口頭発表を行い、それに続いて発表者と参加者が議論する。
1 ガイダンス:発表の担当者と日程を決める。論文の書き方などの指導を行う。
2-3 発表 ー①
4-5 発表 ー②
6-7 発表 ー③
8-9 発表 ー④
10-11 発表 ー⑤
12-13 発表 ー⑥
14-15 発表 ー⑦

テキスト・参考文献
その他 日本哲学史専修の大学院生については、必修とする。
教官 景山 洋平 種別 演習
曜日・時限 金・3 教室  第2講義室
題目 現象学における人間論とその歴史的境界 ー ハイデガーと京都学派の諸著作から
概要・目的 本演習では、Martin Heideggerの四つのテキスト(Sein und Zeit, Kant und das Problem der Metaphysik, Beitraege zur Philosophie, Unterwegs zur Sprache)の必要箇所を精読し、現象学的存在論における人間の位置を考察する。これと並行して、京都学派の著作(西田幾多郎『善の研究』/『場所的論理と宗教的世界観』、田辺元「人間学の立場」/「生の存在学か死の弁証法か」、九鬼周造「日本詩の押韻」)の必要箇所を参照し、現象学との関係を考察する。現象学的存在論における人間概念は「有限性の超越論」(フーコー)や「人間中心主義」(デリダ)と理解されがちであり、こうした理解はミシェル・アンリなどフランス現象学の歴史的展開と大なり小なり連動している。しかし、ハイデガーの思索の変容はこうした解釈に収まらない人間論の可能性を示唆する。本演習では、京都学派との関係に力点を置くことで、現象学的存在論のこうした潜在力を、なにがしか異質な歴史的地平との関係から検討したい。
内容 毎回一名の訳読と報告を行い、それにつづき教員が訳読とテクストの哲学的意義へのコメントを行い、その後は全員で討議する。以下に各回の講読予定を示すが、授業の進度はそのつど前後しうる。毎回2~3頁ほどハイデガーを講読する他、必要に応じて京都学派のテクストを参照する。

第一回 イントロダクション
第二回~四回 Sein und Zeit, Einleitungを中心に
第五回~七回 Kant und das Problem der Metaphysik. 図式機能論と自己触発論を中心に
第八回~十回 Beitraege zur Philosophie. 第五部 “Gruendung“と第八部”Seyn”を中心に
第十一回~十三回 Unterwegs zur Sprache. 論稿“Die Sprache”と”Das Wort”を中心に
第十四回 講読箇所に関する全体的考察
第十五回 フィードバック

テキスト・参考文献 授業で講読箇所をコピーして配布する。ただし、Martin Heidegger, Sein und Zeit, Max Niemeyerは比較的廉価なので、できれば各自購入してほしい。
その他
教官 安部 浩 種別 演習
曜日・時限 木・2 教室  人環棟333演習室
題目 シェリングの自由論
概要・目的 カント、フィヒテ、ヘーゲル等の哲人。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン等の楽聖。これらの巨人に伍して空前絶後の精神の運動を牽引しつつ、百花繚乱の「ゲーテの時代」を駆け抜けた早熟の天才がいた。F.W.J. シェリングである。
 彼が遺した数多の著述・講義録の中でも、『人間の自由の本質』こそは蓋し最重要作の一つである。では本著作において、「哲学における最内奥の中心点」と自らが見做す「必然性と自由の対立」なる問題にシェリングはいかなる仕方で挑むのか。「ドイツ観念論の形而上学の頂点」(ハイデガー)と評される当該著作を冒頭から繙読し、議論を戦わせていくことで、われわれは、自由、汎神論、悪、無底等をめぐる問題系の考察に努めることにしよう。そしてそれにより、語学・哲学上の正確な知識、及び論理的思考力に基づく原典の厳密な読解力を各人が涵養すること、そしてこの読解の過程において浮上してくる重要な問題をめぐる参加者全員の討議を通して、各人が自らの思索を深化させていくことが、本演習の目的である。
内容 原則的には毎回、予め指名した二名の方にそれぞれ、報告と演習の記録を担当して頂くことにする。ここに各回に扱う予定である原典の範囲を記すが、授業の進度については出席者各位の実力を勘案して修正することもある。
 以下、内容の梗概に続き、括弧内に教科書の頁番号を(また適宜、斜線を付して行番号をも)示す。
1. ガイダンスと前期の復習
2. 「悪の現実性の演繹・その3」(52/30-55/22)
3. 「悪の現実性の演繹・その4」(55/23-59)
4. 「悪の現実性の演繹・その5」(60-63/18)
5. 「悪の現実性の演繹・その6」(63/19-66/4)
6. 「神の自由・その1」(66/5-70/29)
7. 「神の自由・その2」(70/30-/75/10)
8. 「神の自己啓示の目標ー愛の全一性・その1」(75/11-79/17)
9. 「神の自己啓示の目標ー愛の全一性・その2」(79/18-82/8)
10. 「神の自己啓示の目標ー愛の全一性・その3」(82/8-84/31)
11. 「神の自己啓示の目標ー愛の全一性・その3」(84/32-87)
12. 辻村公一「無底ーシェリング『自由論』に於ける」
13. 薗田坦「無底・意志・自然ーJ.ベーメの意志-形而上学について」
14. 総括と総合討論
15. フィードバック
テキスト・参考文献 【教科書】
F. W. J. Schelling『Ueber das Wesen der menschlichen Freiheit』(Meiner) ISBN:3-7873-1590-X Philosophische Bibliothek 503
辻村公一 『ドイツ観念論断想Ⅰ』(創文社)
薗田坦『無底と意志-形而上学ーヤーコブ・ベーメ研究』(創文社) ISBN:978-4-423-17158-5
【参考書等】
シェリング 『人間的自由の本質』(岩波書店) ISBN:4-00-336312-4 岩波文庫・青631-2
F. W. J. Schelling『Philosophical Inquiries into the Nature of Human Freedom』(Open Court) ISBN:087548025X
その他

基礎演習

教官 上原 麻有子 / WIRTZ,Fernando Gustavo 種別
基礎演習 学部(2回生以上)
曜日・時限 前期 木・5 ※時限が変更になりました(4/4付) 教室 第10演習室 ※教室が変更になりました(4/4付)
題目 京都学派の哲学―技術、文化をめぐる問い
概要・目的 京都学派とその周辺の哲学者の思想を技術(あるいはテクノロジー)、文化の哲学的問題を追う形で考察することが、この授業の目的である。特に、京都学派の哲学が、どのように現代のテクノロジーの問題と結びついているのかについて焦点を当てて考察する。
技術とは何か。哲学は、技術とどのように異なるのか。技術と芸術の関係はどのようなものか。日本哲学史はどのように理解すればよいか。京都学派の哲学の特徴とは何か。文化と技術の関係とはどのようなものか。技術は普遍的な現象なのか、それとも文化によって決まるものなのか。日本独自の技術はあるのか。
授業は演習と講義の両方の形式を取り、履修者との議論の時間も十分に取る予定である。
内容 授業計画は以下の通りであるが、ゲストスピーカーの先生方による授業も予定されている。以下の課題の順序や細部が多少変更されることもある。

第1回 ガイダンス 上原、Wirtz
第2回 西田幾多郎の「物を作る」論理 上原
第3回 三木清の人間と社会の哲学 Wirtz
第4回 九鬼周造の哲学 Simon Ebersolt(ゲストスピーカー)
第5回 九鬼周造の哲学 Simon Ebersolt
第6回 九鬼周造の哲学 Simon Ebersolt
第7回 システムと未来予測 1)大森荘蔵の時間論と未来予測(気候変動など) 佐藤麻貴(ゲストスピーカー)
第8回 システムと未来予測 2)AIとロボット 佐藤麻貴
第9回 システムと未来予測 3)総論 佐藤麻貴
第10回 中井正一の映画論・美学論 Wirtz、上原
第11回 戸坂潤の技術哲学と技術論論争 Wirtz
第12回 戸坂潤の技術哲学 Wirtz
第13回 三枝博音の技術哲学 Wirtz
第14回 現代における技術の問題 Wirtz、上原
第15回 まとめ 上原、Wirtz

参考書等 授業中に紹介する
教官 中嶋 優太 種別
基礎演習 学部(2回生以上)
曜日・時限 後期 木・3、木・4 教室 第7演習室
題目 西田幾多郎『善の研究』を読む
概要・目的
本基礎演習では日本哲学史研究へ入門として、また他の専門の学生が日本哲学に触れる機会として、日本哲学の基礎文献である西田幾多郎『善の研究』の講読を行う。
 『善の研究』(1911年)は、日本人が書いたものとしては、最初の独創的で体系的な哲学書とも評され、世界的に最もよく研究されているテクストである。近代西洋哲学の枠組みに学んだ上で、心理学をはじめとする科学的思考を貪欲に取り込み、また近代以前の日本思想の影響も受けたこのテクストは、さまざまな要素が絡み合い、多様な観点からの読解に開かれている。
(※授業は隔週で行う) 
内容 『善の研究』の中心思想である「意識現象が唯一の実在である」という純粋経験説および善と自由に関する倫理思想が理解できるように、第2編、第3編をそれぞれ数章ずつ読み進める。
受講生はそれぞれ担当箇所を決め、ディスカッションのきっかけとなるように、テクストを読んだ上で気になった点や疑問点について簡単な発表を行う。

授業計画は以下の通りである。

第1・2回 イントロダクション(『善の研究』というテクストの紹介、第2編「実在」の概要、担当箇所の決定)
第 3・ 4回 第2編第1章「考究の出立点」 
第 5・ 6回 第2編第2章「意識現象が唯一の実在である」 
第 7・ 8回 第2編「実在」のまとめ 第3編「善」の概要
第 9・10回 第3編第3章「意志の自由」
第11・12回 第3編第9章「善(活動説)」
第13・14回 第3編第10章「人格的善」
第15回 まとめ

参考書等 西田幾多郎(注解・解説 藤田正勝)『善の研究』(岩波文庫〔2012年改版〕) ISBN:978-4-00-331241-4 (2012年に改版されたものを用意するようにして下さい。)
それ以外の資料については授業時にプリントアウトして配布する。
その他

 

前年度までの授業