絵葉書コレクション

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京都大学地理学教室所蔵の絵葉書コレクション
The Postcard Collection Stored at the Department of Geography, Graduate School of Letters, Kyoto University

ここに画像を公開する約1500枚の絵葉書は、京都大学文学部地理学教室で長らく保管されていたものである。多くは、20世紀前半頃の日本国内の名所旧跡の絵葉書であるが、自然景観や生活風景などを伝えるもの、火山噴火など自然災害の様子を生々しく伝えるものもあり、貴重な画像資料である。

画像公開のきっかけは、田中が担当した2015年度(前期)『写真帳と絵はがきからの地誌学入門』(全学1回生向け少人数ゼミ)で、絵葉書を素材として取り上げたことである。ゼミでは、10人の受講生たちと一緒に、絵葉書の写真やその説明文から土地の風土や歴史的背景、産業や生活や文化の特徴を読み取ったり、現況と比較しながら、景観や地域性について考えた。ゼミでの調査の過程では、受講生同士で手分けして、写真の撮影地を探したり、説明文を書き写した。

この少人数ゼミの受講生たちによる作業の成果を活かし、さらに調査や研究に広く利用されるものとなるよう、これらの絵葉書画像と書誌情報を、地図上の位置情報と組み合わせて公開することとなった。画像公開のアプリケーションはESRIジャパンによるものである。

絵葉書の外袋には、「京都一中地歷同好會」とスタンプが押されたものがある。また、個々の絵葉書に学年と組と氏名が書き込まれたものもが少なくない。そうした絵葉書の中には「昭和拾壱年」と年号が書かれたものもある。これらのことを踏まえると、所蔵されている絵はがきの一部は、京都一中(1870年創立の旧制中学校、現在の京都府立洛北高等学校・附属中学校)の地歴同好会あるいはその会員の方々から、1930年代中頃に、寄贈もしくは寄託されたものと推測されるが、詳細な経緯を記した資料はまだ確認されていない。この絵葉書画像の公開をきっかけに、情報をお寄せいただければ、幸いである。

今後、さらに資料の整理や調査を進めるなかで、本コレクションの遺漏や誤りが訂正され、情報がより充実することを期待している。

絵葉書公開までの作業に協力くださったのは、上記の少人数ゼミの受講生であった川口マヌエル、田中建史朗、上田陽平、田村昴佑、中村文彦、濱田彩花、赤塚康平、大井凌也、藤井 黎、疋田菜光(いずれも当時、1回生)、伊藤令子、陳俐君、朝倉槙人(文学研究科院生)、三上純子(地理学専修・事務補佐員)および、星田侑久、夏目宗幸の方々である。

これらの方々に心より御礼を申し上げるととともに、この絵葉書画像と書誌情報が広くく活用され、教育研究に資することを願っている。

2017年1月
田中 和子
京都大学大学院文学研究科
地理学専修


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注)本サイトのトップページの背景は、京都大学文学部陳列館(1914年の建築)の写真(2016年12月30日撮影)を、絵葉書を用いてコラージュしたものである。

 

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