フランス語学フランス文学専修(学部)進学を希望する方へ 

フランス語学フランス文学専修では,フランス語読解力の養成を主眼としつつ,テクストの解釈法、文学批評の方法論、文献資料の調査法などを学ぶことでフランス文学研究の基礎的能力を身につけることを目指します。同時に,作品の背景にある思想史的,歴史的,社会的文脈を含めたフランスとフランス語圏の文化についての広い知識を身につけることをも目的にしています。フランス人教師の授業においては,上記の方針をふまえたうえで,フランス語を正確に読むこと、書くこと、話すことがバランスよく修得されるよう配慮されています。
 本専修における研究の対象となるのは狭義の「文学」に限りません。美術,音楽,映画などの芸術作品や芸術批評であれ,思想,哲学,歴史に関わる著作であれ,フランス語で書かれた文献であれば研究の対象となりえます。さらに言えば,中世から現代に至るまで、フランス語で書かれた文献であればいかなる時代のものでも研究の対象として選んでよいのです。当然のことながら、卒業論文のテーマは学生が主体的に選ぶことが期待されます。
 このようにジャンルや時代を問わず,フランスあるいはフランス語圏の文学・芸術・思想に関心のある人は,ぜひフランス語で書かれたテクストを入り口にして,奥深いフランス文化の探求の道に分け入ってみてください。

ガイダンスのお知らせ

2023年9月25日(月)14:30-16:30
文学部1回生向け 研究室ガイダンス 仏文研究室(L830)

2023年9月26日(火)12:00-13:00
文学部2回生向け 専修分属ガイダンス 仏文研究室(L830)

2023年度の授業

永盛、村上、鳥山、ル・フロックの文学部専任教員に加えて、人文科学研究所の森本淳生先生、藤野志織先生、人間・環境学研究科の守田貴弘先生、中筋朋先生、学外からは同志社大学の伊藤玄吾先生、関西学院大学の小田涼先生、三重大学の横田悠矢先生にご出講いただいています。

2023年度開講の特殊講義(大学院共通)題目一覧

永盛(後期)マリヴォーの喜劇を読む
村上(前期)プルースト『ゲルマントのほう』を読む
村上(後期)プルースト『消え去ったアルベルチーヌ』におけるヴェネチア滞在を読む
鳥山(前期)ヴァレリーの「ナルシス作品群」研究
鳥山(後期)フランス近現代文学・思想における言語的ジェンダーの研究
Le Floc’h(前期)La Princesse de Clèves : un roman d’analyse psychologique au XVIIe siècle
Le Floc’h(後期)Les émotions dans la littérature française du XVIIe siècle
森本(前期)ステファヌ・マラルメ「詩と散文」III(2023)
伊藤(後期)フランス16世紀詩研究:sonnet(ソネ)とode(オード)

フランス語の履修について

フランス語学フランス文学専修への進学を考えている1・2回生には3回生になるまでにフランス語初級・中級を履修しておくことが望まれます。ただし、フランス語以外の外国語を選択した人も中級レベルのフランス語の知識があれば当専修への進学は可能です。意欲のある人には8時間コース(初級)・6時間コース(中級)の履修をお勧めします。この他、文学部共通科目(および全学共通科目)としてフランス語中級・上級の授業も開講されています。
 大学以外の場、例えば近隣のアンスティチュ・フランセ関西(http://www.institutfrancais.jp/kansai/)でもフランス語やフランス文化について学ぶことができます。

フランス語検定試験・資格試験について

フランス語圏大学への留学を考えている人にはフランス語検定試験・資格試験・学力試験の受験をお勧めします。自分の語学力を確認し、到達目標を設定する点で効果がありますし、留学の手続き(交換留学の学内申請、留学先の大学への登録あるいは長期滞在ビザの申請)に際して、語学力の証明を求められることがあるからです。留学のための最低限の語学レベルの目安は以下の通りです。

学部生
1)仏検:準2級以上の取得が望ましい。
2)フランス語資格試験:B1以上の取得が望ましい。
3)フランス語学力テスト:B1以上の取得が望ましい。

大学院生
1)仏検:2級が最低限のレベル。準1級以上の取得が望ましい。
2)フランス語資格試験:B2以上の取得が望ましい。
3)フランス語学力テスト:B2以上の取得が望ましい。

 

参考

1)仏検 APEF 財団法人フランス語教育振興会
日本人学習者を対象とし文部科学省および在日フランス大使館文化部の後援をうけて実施されるフランス語の技能検定試験

2)DELFDALF フランス国民教育省・フランス語資格試験
DELF (Diplôme d’études en langue française)
DALF (Diplôme approfondi de langue française)
世界150余ケ国で実施。外国人受験者に対し、そのフランス語に関する能力を証明するためにフランス教育省により授与される公式の免状(diplôme)。DALF C1を取得するとフランスの大学に入学する際に義務づけられているフランス語能力評価試験が免除される。フランス語圏及びヨーロッパの高等教育機関でも広く認可されつつある。日本ではフランス政府給費留学生試験の一部が免除される。聞き取り・読解・文書作成・口頭表現の4つの能力が評価の対象になる。京都ではアンスティチュ・フランセ関西が試験センターとなっている。

3)TCF フランス国民教育省・フランス語学力テスト
TCF (Test de connaissance du français)
TCFはフランス語圏以外の人で、職業上、個人的、或いは学業上の理由から、自分のフランス語能力の水準を簡単迅速に、そして信頼できる方法で評価し、認定を受けたいと望むすべての人を対象としている。すべての受験者はヨーロッパ評議会(ヨーロッパ共通基準枠組み)が定めた6等級区分(A1からC2=DELF/DALFと同様)の内のいずれかに等級付けされた証明書(attestation, 免状 diplôme ではない)を受け取る。従ってTCFに不合格はない。京都ではアンスティチュ・フランセ関西が試験センターとなっている。TCFはコンピューターによる受験のために電子バージョンもある。(http://www.ciep.fr/tcf/)

以上のフランス語検定試験・資格試験・学力試験のポスターやパンフレットなどはフランス語学フランス文学研究室(文学部校舎8階)前の廊下に掲示・展示されていますので、関心のある方はお立寄りください。