講義案内

講義案内(平成28年度後期)

タイ族仏塔(中国雲南省)

タイ族仏塔(中国雲南省)

 
 

 
 
 

時間割(平成28年度後期)

特殊講義
矢木
特殊講義
岩井
特殊講義
木田
演習
吉本
特殊講義
演習
村上
特殊講義
高嶋
特殊講義
石川
特殊講義
浅見
演習
杉山
演習
高嶋
特殊講義
江田
特殊講義
浅原
特殊講義
中砂
演習(院)
吉本
演習(院)
杉山
特殊講義
吉本
特殊講義
杉山
演習
中砂
特殊講義
冨谷
集中

 

※(学部)は学部生のみ、(院)は原則大学院生のみの科目。

講義内容【特殊講義】

木田知生 中国近世史史料学研究Ⅱ

(授業の概要・目的)
 前期に引き続き、宋代史の史料学を中心に中国近世史史料学を講じる。
 近年,以前に増して史料の様相が大きく変貌している。かつての版本や教材に勝る史料版本や教材,さらには新たな「工具書」が次々に登場し,旧来の利用範囲内に視野が留まっていては,十分な研究遂行が困難な時代がすでに到来しているのである。
 本研究では,そうした時代状況に鑑み,旧年度に講じた史資料についても,再考すべきものは再度取り上げで解説する。また,以前に論じていなかった史料文献に関しても詳述し,併せて中国内外で進行している各種史資料のデータベース化状況にも論及する予定である。
 本年度後期授業は,総集編としての意味を持つため,補足補充説明にも心掛ける。
 授業の進行は,参加者の前期中の履修状況等に配慮しながら判断する。

(授業計画と内容)
 1.宋代史史料文献を中心に,概説と導入を含め中国近世史領域の史料文献の解説と閲読を行う。
 2.上記に関連する史料文献や「工具書」についての解説。
 3.近年の史料文献の整理出版状況とデータベース化の動向に留意し,その解説を行うほか,関連する資料文献を講読し,史料文献の現状を把握するように努める。
 4.原則上,講義形式で授業を進めるものの,大部分は関連史資料の講読と分析作業が主軸となる。
 5.毎回の授業内容と講読教材に関しては,あらかじめ事前に定めて指示する。

石川禎浩 中国現代史特殊講義

(授業の概要・目的)
前期に引き続き、中国現代史に大きな影響を与えた毛沢東にかんして、その伝記的検討を行い、毛沢東についてのイメージ生成や評価、および関連資料の収集や編纂がどのように行われてきたかについての理解を深める。

(授業計画と内容)
第1回 毛沢東研究に関する基本的図書の紹介
第2-4回 毛沢東の前半生(1893-1949)
第5-7回 中華人民共和国初期の毛沢東(1949-1966)
第8-10回 文化大革命期の毛沢東(1966-1976)
第11-12回 毛沢東著作の編纂事業
第13-15回 毛沢東伝の変遷と中国共産党史研究の歩み
第16回 フィードバック

中砂明徳 17世紀初期の東インド

(授業の概要・目的)
バロス、コウトによるポルトガル領インディアの年代記を書き継いだアントニオ・ボカロの『10巻書第13』を読む。本書が直接に扱っているのは1615~17年の3年間のポルトガル領インディアの歴史であり、それもインド洋の西側に偏っているが、記述は少ないながらも日本まで射程は伸びている。本書に他の歴史記述を補う形で、17世紀初期の東インド世界を展望する。

(授業計画と内容)
1、2回目 先行作品(バロスとコウト)
3回目 著者ボカロの紹介
4回目~13回目 インド洋西岸の歴史を中心とした本書の記述をたどりつつ、ペグー(ビルマ)、マラッカ、中国、日本などの記述については他の史料を援用して紹介する。
14回目 まとめ

杉山正明 『集史』「チンギス・ハン紀」の根本的検討

(授業の概要・目的)
13-14世紀のモンゴル世界帝国の時代に出現したペルシア語史書の『集史』 Jami’ al-Tavarikhは文字通りの世界史であり、各地に蔵される複数の写本を利用しつつ、他の多言語史料とつきあわせて精読する。

(授業計画と内容)
モンゴル世界帝国を構成する四大部分のひとつ、西アジアに展開したフレグ・ウルスでは、第七代君主ガザンと宰相ラシードゥッディーンのもと、かつてない世界史の編纂がおこなわれ、ガザン没後も弟オルジェイトゥにひきつがれ、1310-11年に成った。その結果、ひとくちに『集史』とはいうものの、ガザン主導の「幸いなるガザンのモンゴル史」という前半と、それを踏まえつつ改訂・増補して「世界諸族志」もくわえたいわゆる『集史』という二段階の合成物となった。そこには、かなりの改文・修正が見られる。トプカプ・サライ蔵本を底本に、タシュケント蔵本、大英図書館蔵Or.2927、Or.7628などを参照しつつ、幾つかの東方史料ともひきくらべ検討する。

浅原達郎 説文解字(字音)

(授業の概要・目的)
清代の学者による説文解字の注釈を,とくに字音に重点を置いて読みながら,古文字学の基礎となるべき説文解字の読み方を探る。

(授業計画と内容)
ひたすらていねいに読むことを心がけるが,ただ,出土文字資料との関連には留意したい。説文解字のどの文字を読むかは,受講者の希望を聞いて決める。テキストには,段玉裁『説文解字注』(経韻楼本)を用いる。受講者おのおのが一冊準備して持参することを前提とする。講義の進め方の詳細については,初回の授業で説明する。

浅見直一郎 中国史と仏教

(授業の概要・目的)
この授業のねらいは、「中国の仏教史を論じる」ことではなく、「中国史の諸問題の中で、特に仏教が深く関与しているいくつかの問題を検討する」ことである。文学部との共通授業であるため、これまで特に仏教史について学んだことのない3回生が受講することも想定し、基本文献の紹介から始めて、従来の研究の成果を紹介し、あわせて今後の課題にも言及する。必要に応じて画像を紹介する予定である。

(授業計画と内容)
おおむね次の内容で授業を進める予定である。ただし、受講者の関心などに応じて、適宜修整することがある。
1.中国仏教史の基本文献【2週】
2.仏教経典の翻訳事業【1週】
3.経録と大蔵経【2週】
4.皇帝権力と仏教・道教【3週】
5.入唐僧の遺したもの【2週】
6.中国の民俗と仏教【3週】
7.まとめ【2週】
※フィードバック方法は授業中に説明する。

辻正博 唐宋時代の刑罰と社会

(授業の概要・目的)
唐から宋にかけての時期、中国の政治や社会のあり方は大きく変容した。刑罰とてその例外ではない。この講義では、唐律・唐令に規定された刑罰のあり方が、唐末から宋代にかけてどのように変化していったのかについて解説を加える。刑罰制度のみならず、政治・社会との関わり、刑罰の背後にある思想・理念などについても言及したいと思う。

(授業計画と内容)
以下のテーマについて、2~3週を目途に講義を進める。
 なお、初回授業(ガイダンス)時に、学期の授業計画および講義で必要される諸事項について説明を行うので、必ず出席すること。
 1.唐律・唐令に規定された刑罰
 2.唐代刑罰の諸相―「五刑」の実態
 3.社会の変化と刑罰の変容―刑罰史の唐末五代
 4.宋代の刑罰―唐律受容の実態
 5.新たな刑罰―宋代の社会と刑罰

江田憲治 

(授業の概要・目的)
本授業では、東アジア、とくに中国の政治制度や思想を対象領域とし、研究論文・研究書、一次史料を素材としたゼミ形式の授業を行う。
 先行研究の取り扱いや一次史料の収集・利用についての必要な陶冶を行い、研究発表の訓練を行うことが目的である。

(授業計画と内容)
①ガイダンス
②中国現代政治史概説
③中国現代政治史についての研究紹介 
④研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑤研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑥研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑦研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑧一次史料を素材としたゼミ
⑨一次史料を素材としたゼミ
⑩一次史料を素材としたゼミ
⑪一次史料を素材としたゼミ
⑫一次史料を素材としたゼミ
⑬一次史料を素材としたゼミ

矢木毅 朝鮮史詳説(近世篇2)

(授業の概要・目的)
壬辰倭乱以降の朝鮮王朝の歴史を概観し、政治・社会の特質について考察する。漢文史料の読解能力を高めるとともに、東アジア世界(特に中国)との連関のなかで朝鮮史への理解を深めることを目的とする。

(授業計画と内容)
第1講 朝鮮時代史とその史料
第2講 倭乱前史
第3、4講 壬辰・丁酉の倭乱
第5、6講 光海君の時代
第7、8講 仁祖反正
第9、10講 丁卯・丙子の胡乱
第11、12講 北伐論
第13、14講 三藩の乱と朝鮮

岩井茂樹 前近代の外交と文書資料Ⅱ

(授業の概要・目的)
「前近代の外交と文書資料Ⅰ」と同じく,対外関係資料についてその概要と釈読の方法,分析などについて講述する。

(授業計画と内容)
1.瀋陽故宮旧蔵『朝鮮國王来書簿』および関連資料の釈読(第1~5週)
2.硃批奏摺中の対外関係資料の釈読(第6~10週)
3.カントン・マカオ関係資料の釈読(第11~第14週)

高嶋航 近現代中国とスポーツ

(授業の概要・目的)
近現代中国のスポーツに関する種々の問題をジェンダーの視点も交えて検討する。

(授業計画と内容)
以下の各項目について講述する。各項目の講義の順序は固定したものではなく、担当者の講義方針と受講者の背景や理解の状況に応じて、講義担当者が適切に決める。
1.スポーツの伝播・受容
2.スポーツの発展
3.スポーツの表象
4.スポーツと政策

吉本道雅 繋年研究序説

(授業の概要・目的)
2011年に公刊された清華簡『繋年』は西周時代から戦国前期の歴史を23章にまとめた紀事本末体の史書である。その成書はおおむね前4世紀後半と推定され、西周時代・戦国時代前期については伝世文献に見えない独自の記述を含む。『繋年』を分析することで、戦国時代における歴史記述・歴史認識のありかたを概観する。

(授業計画と内容)
以下の項目を逐次論ずる・
第1回~第3回 戦国楚簡の概観
第4回~第9回  西周時代の記述:『繋年』第1~第4章
第10回~第12回 春秋時代の記述:『繋年』第5~第19章
第13回~第15回 戦国時代の記述:『繋年』第20~第23章
*フィードバック方法は授業中に説明する。

冨谷至 漢倭奴国王から日本国天皇へ(学部) 唐律疏議(院)

(授業の概要・目的)
・漢倭奴国王から日本国天皇へ
前期に引き続き古代・中世中国と倭・日本との関係を考える

・唐律疏議
唐の律(刑法)の注釈である唐律疏議を精読する。

(授業計画と内容)
・漢倭奴国王から日本国天皇へ
(1) 日出処天子――遣隋使 (2) 「天皇」号の成立  (3)「日本国」号の成立
(4) 律令の受容 (5) 遣唐使

・唐律疏議
唐律疏議を前期に引き続き、担当を決めて、訳文・注釈を作成し、発表する。

講義内容【演習】

杉山正明 アジア諸地域における碑刻・刻文の歴史文献学的研究

(授業の概要・目的)
アジア諸地域では、古代イラン・インド、漢代以後の中国などにおいて磨崖刻文や王柱・碑碣類が出現し、以後は中央ユーラシアや韓半島・日本でも見られる。研究室所蔵の拓本も含め、広く利用・解読をめざす。

(授業計画と内容)
以下の各テーマのもとに、それぞれ1~3週の割合で、演習方式を採りつつ進める。①石に文を刻すという行為の意味とその発生。②ヨーロッパを含めた碑刻・刻文・墓誌などの多様な展開と各地域・各時代の特性。③東洋史学所蔵拓本の紹介・把握と実際の扱い方や利用・保存。④関係する内外各機関とその所蔵拓本ないし拓影、および厖大な石刻目録類や石刻書研究史。⑤中華地域における漢文でしるされた碑碣の類別と展開、とくに神道碑・墓誌銘などの違いや文集。⑥代表的な漢文碑刻のうち、未解読ないし検討不十分のものについての解読・討論。⑦チンギス・カン碑石をはじめ、モンゴル語および蒙漢合刻・複数語合刻碑の読解と習熟。⑧いわゆるモンゴル命令文とその碑刻について。⑨ペルシア語・シリア語・パスパ字碑刻の検討。

吉本道雅 『春秋左伝正義』

(授業の概要・目的)
十三経注疏の一つである『春秋左伝正義』を精読する。

(授業計画と内容)
前期の続き。魯の年代記の形式を採る『春秋』と、その注釈書の形式を採る『左伝』は春秋時代を研究するための基本的な資料である。『春秋』『左伝』の成立過程については今なお活発な議論が進行中である。『左伝』には、西晋・杜預の『春秋経伝集解』、唐・孔頴達の『正義』が附されている。本演習では『正義』を精読することで、漢文を文法的に正確に読解する能力を養うとともに、『正義』の引用する唐代以前の諸文献を調査し、また『正義』の論理構成に習熟することによって、経学の基本的な方法論を理解する。また、先秦期の文献・出土資料を全面的に参照することによって、『春秋』『左伝』の成立過程についても考察し、先秦史研究の資料学的素養を身につける。
第1回~第15回 『春秋左傳正義』の輪読
*フィードバック方法は授業中に説明する。

高嶋航 梁啓超『飲冰室合集』選読

(授業の概要・目的)
梁啓超の文集『飲冰室合集』から重要な文章を選読する。

(授業計画と内容)
精読と多読を併用する。大学院生には毎回『飲冰室合集』から文章一篇を選んでその趣旨や関連事項を説明してもらい、質疑に応えてもらう。

吉本道雅  中国古代史史料学

(授業の概要・目的)
楊寛『戦国史料編年輯證』を輪読し、関連史料・研究を批判的に検討する。

(授業計画と内容)
前期の続き。従来の戦国史(453-221BC)研究は、戦国後期の秦史に偏しており、戦国前・中期や六国については、資料の絶対量の乏しさに加えて、『史記』紀年の混乱が、歴史的推移の時系列的把握を困難にしてきた。1990年代以降の戦国楚簡の出現は、とりわけ思想史的研究を活発化させているが、かえって文献に対する研究の立ち後れを露呈させている。本演習では、楊寛『戦国史料編年輯證』(上海人民出版社、2001/台湾商務印書館、2002)を輪読し、関連史料・研究を批判的に検討することによって、中国古代史研究に関わる文献・出土文字資料・考古学的資料の運用能力を向上させる。
第1回~第15回 『戦国史料編年輯証』の輪読
*フィードバック方法は授業中に説明する。

中砂明徳 明人の文集を読む

(授業の概要・目的)
明末に『武備志』という浩瀚な兵書を著したことで知られる茅元儀の文集『石民四十集』を読む。中国人の文集には様々なジャンルの文章が収められる。多様なジャンルの文章に接しながら、明末の時代の風気に触れることを目的とする。

(授業計画と内容)
1回 茅元儀の生涯について簡単に説明し、『石民四十集』の構成を紹介する。
2~4回 上疏
5、6回 序
7、8回 伝
9、10回 行状
11~14回 書

杉山正明 『元典章』の精読と関連する諸文献

(授業の概要・目的)
モンゴル帝国治下の中華地域にかかわる法制・布告・判例集として名高い『元典章』については、日本・中国などで各種の試みがなされているが、この授業ではひたすらに同書を精読し、事実の鮮明化をはかる。

(授業計画と内容)
『元典章』に盛り込まれている内容は、その事項や判例ごとに多様であり、モンゴル治下に包摂されるまでの中華各領域での前史や慣行・あり方によって状況はまちまちとならざるをえない。くわえて、モンゴル国家としての分封・分領体制が基本にあり、それぞれの分領所有王侯の立場によっても、事態はさまざまに変転する。華北と江南のみならず、江淮・陝甘・四川雲南・嶺南・遼東といった地域ユニットごとにも事情は複雑に錯綜し、その時々の権力構造を十分に把握していないと、益々理解は困難になる。文字の表面だけを追うのは、きわめて危険である。この授業では、そうしたさまざまな要件を踏まえ、さらに同じモンゴル帝国治下のフレグ・ウルスにおける類似の書であるDastur al-Katibの諸写本も参照しながら徹底精読する。

村上衛 在中国イギリス領事報告を読む

(授業の概要・目的)
中国近代の社会・経済に関する英文史料を精読する。英文史料を読むことによって、イギリス人などの外からの目を利用しつつ、中国近代社会経済史に対する理解を深める。

(授業計画と内容)
イギリス外交文書のうち、在中国イギリス領事の報告(FO228)を精読する。具体的には、中国における華人関係の紛争など、主として社会に関わる紛争を取り上げる。必要に応じてFO228に含まれている英文史料に対応する漢文史料も読む。なお、史料の内容は非常に細かいものが多いため、講義形式の解説を加え、史料を中国近代史の中に位置づけていく。