講義案内

講義案内(平成31年・令和元年前期)

タイ族仏塔(中国雲南省)

タイ族仏塔(中国雲南省)

 

 

時間割(平成31年・令和元年前期)

特殊講義
古松
特殊講義
矢木
特殊講義
岩井
演習
石川
特殊講義
山崎
特殊講義
高嶋
特殊講義
村上
特殊講義
宮宅
特殊講義
演習
高嶋
特殊講義
浅原
特殊講義
江田
演習
吉本
特殊講義
山口
特殊講義
太田
特殊講義
田口
特殊講義
中砂
特殊講義
吉本
演習(院)
中砂
演習
中砂
演習(院)
吉本
集中

 

※(学部)は学部生のみ、(院)は原則大学院生のみの科目。

講義内容【特殊講義】

宮宅潔 中国古代制度史と出土文字史料

(授業の概要・目的)
近年中国古代史の研究に大きな影響を与えている新出史料、すなわち竹簡・木簡史料について概説する。出土地域ごとに発見史をたどりながら、主要な竹簡・木簡群を紹介し、それが歴史研究、特に制度史研究に与えたインパクトについて講義する。

(授業計画と内容)
1.ガイダンス
2.中国簡牘史料の発見史
3.楚簡の概観
4.秦簡の概観
5.墓葬出土漢簡の概観
6.辺境出土漢簡の概観

初回のガイダンスの後、各単元を2~3回に分けて講義する。

中砂明徳 西洋人の目からみた17世紀前半の東南アジア・インド

(授業の概要・目的)
本授業では、17世紀の前半に東南アジア・インドの各地を訪れた西洋人のうち、フラマン人の商人ジャック・ド・クートレ、スイス人の傭兵エリー・リポンの著作を素材として、交易・軍事の面から当時の東南アジア・南アジア世界とヨーロッパ人の交渉の様態を俯瞰する。

(授業計画と内容)
1、本授業の位置づけ、旅行記の性格
2、インディアに進出した非ポルトガル人
3、マレー半島
4、シャム
5、フィリピン
6、ビジャープル
7、オルムズ
8、ゴルコンダのダイヤモンド
9、オランダ東インド会社の雇われ外国人
10、バタヴィア
11、マカオ
12、台湾
13、アラビア
14、島嶼世界
15、フィードバック

山崎岳 倭寇と東アジア

(授業の概要・目的)
13世紀から17世紀まで朝鮮や中国の史料に現れる「倭寇」について、東洋史の立場からさまざまな角度で検討し、
その社会的背景に踏みこみつつ解説する。

(授業計画と内容)
第1回 趣旨説明
第2回 地理的前提
第3回 隣国から見た日本像
第4回 倭寇と元寇
第5回 高麗の倭寇をめぐって
第6回 明の建国とその国際関係
第7回 朝鮮王朝と倭人たち
第8回 日本僧の朝貢記録
第9回 明代江南の塩賊
第10回 海禁下密貿易の構造と発展
第11回 王直と胡宗憲
第12回 東南海寇の反乱と招撫
第13回 豊臣秀吉の朝鮮出兵
第14回 鄭氏政権の興亡
第15回 総括

浅原達郎 戦国竹書(歴史)

(授業の概要・目的)
戦国時代の竹簡に書かれた歴史にかかわる書物を読む。

(授業計画と内容)
ここ数年、戦国時代の竹簡に書かれた書物がつぎつぎと公表され、研究者の注目を集めている。郭店楚墓出土竹書、上海博物館蔵竹書、清華大学蔵竹書などがおもなものである。関連する論文はさながら洪水のようで、学ぶものを途方にくれさせる。この講義では、論文の洪水をうまく避けつつ、竹簡の文章そのものをていねいに読んでいこうと思う。前期はとくに歴史をあつかった竹書をとりあげる。
第1回 戦国竹書の概要
第2回~15回 戦国竹書の読解
(上海博物館蔵竹書・昭王毀室、荘王既成、申公臣霊王、
 清華大学蔵竹書・楚居、繋年)

吉本道雅 秦史研究序説

(授業の概要・目的)
1970年代以降の簡牘資料の激増により、戦国末期から統一期に至る秦史の詳細な実態が解明されつつあるが、睡虎地秦簡以前の秦簡はなお獲得されておらず、それ以外の出土文字資料は零細かつ孤立的である。従って、前3世紀半ば以前の秦史に関する認識は、『史記』になお最も大きく依存している。本講義では、『史記』の秦史記述を批判的に分析しつつ、秦史の推移を概観する。

(授業計画と内容)
以下の項目を逐次論ずる。
第1回 序論
第2回~第4回 秦の起源
第5回~第7回 春秋期・戦国前期
第8回~第11回 戦国中期
第12回~第15回 戦国後期・統一秦
*フィードバック方法は授業中に説明する。

古松崇志 前近代ユーラシア東方の石刻史料の研究

(授業の概要・目的)
前近代ユーラシア東方(中国本土、モンゴリア、マンチュリアなどを指す)の歴史研究において、石刻史料はきわめて重要な史料群である。本講義では、この地域に残された多様な言語で記される石刻史料のうち、質量ともに最も豊富な漢語の石刻史料を取り上げ、歴史研究に利用するための手法を、実際に受講生が史料(京都大学人文科学研究所所蔵の拓本実物を含む)を読み解きながら学んでいく。

(授業計画と内容)
1.ガイダンス(1回)
2.石刻学・石刻研究史の概観(2~3回)
3.石刻史料へのアクセス(伝統的な石刻文献を含めた典籍文献、新出史料集、
  ウェブ上のデータベースなど)概観(2~3回)
4.石刻史料釈読(7~9回)
5.まとめ(1回)

※釈読する石刻史料は、担当者の専門分野の契丹(遼)・宋・金・元(モンゴル帝国)時代のものを中心に取り上げる予定だが、適宜受講生の関心に応じた史料を読むことも検討している。また、担当者が勤務する京都大学人文科学研究所所蔵の拓本を実見する機会を設けるほか、できるだけ拓影(拓本の写真)のあるものを用いるが、典籍文献(伝統的な石刻文献や地方志、文集など)のみに載せられているものも適宜取り上げる。
※基本的に以上の予定にしたがって講義を進めるが、回数など変更の可能性があることに留意されたい。

高嶋航 岡部平太と東アジアのスポーツ

(授業の概要・目的)
この講義の目的は、岡部平太を通して東アジアのスポーツの歴史を概観することである。岡部はスポーツの指導者としてのみならず、スポーツの組織者として、日本はもちろん、大連や北京で活躍した人物であるが、嘉納治五郎や岸清一(ともに大日本体育協会会長)ら日本スポーツ界の中心的人物と対立したこともあり、また日本のスポーツ史研究が中国におけるスポーツの歴史に関心をもたず、中国のスポーツ史研究が満洲におけるスポーツの歴史に関心をもたなかったこともあり、岡部の中国大陸での活躍はこれまでほとんど注目されてこなかった。この講義では、岡部の中国大陸での活動を掘り起こすことで、岡部の再評価を試みるとともに、岡部の視点から日本と東アジアのスポーツ史を再構築する。

(授業計画と内容)
以下の各項目について講述する。各項目の講義の順序は固定したものではなく、担当者の講義方針と受講者の背景や理解の状況に応じて、講義担当者が適切に決める。
1.生い立ち、アメリカ留学、嘉納治五郎との決別
2.満洲時代 満洲を「日本」のライバルに
3.天津、北京時代 宣撫の手段としてのスポーツ
4.戦後 東京オリンピックに向けて

辻正博 唐代制度史関係資料の諸問題

(授業の概要・目的)
古代日本にも多様な形で影響を与えた唐代の諸制度については、これまで膨大な研究の蓄積がある。ところが、そうした制度史研究の根底をなす「史料」じたいについては、必ずしも十分な注意が払われてこなかった。この講義ではまず、唐代制度史関係資料の中から正史・資治通鑑・政書・詔勅・類書を中心に重要なものを選び、現在「通行本」とされているテキストについて、①どのような経緯でその地位を得たのか、②今なお通行本として用いるのが適当なのか、③適当でないとすればどのテキストに拠るべきなのか、などの諸点について検討を加えてゆきたい。

(授業計画と内容)
以下のテーマについて、2~3週を目途に講義を進める。
 なお、初回授業(ガイダンス)時に、学期の授業計画および講義で必要される諸事項について説明を行うので、必ず出席すること。
 1.正史:『旧唐書』と『新唐書』
 2.通鑑:『資治通鑑』と『通鑑考異』・胡三省注
 3.政書(1):『通典』
 4.政書(2):『唐会要』
 5.類書:『冊府元亀』
 6.詔勅:『唐大詔令集』
 7.その他の唐代制度史関係資料

江田憲治 

(授業の概要・目的)
 本講義では、中国近現代、とくに共産党史を対象領域とし、その理論闘争の歴史、それが現代の社会状況といかなる連続性を持つのかについて考察する。
 中国共産党の歴史過程について史料と研究にもとづいた批判的理解を可能にすることが目的である。
 なお、講義形式の授業のほか、適宜、受講者が従来の研究論文を要約して受講者が報告する発表形式の授業をも行う。

(授業計画と内容)
第1回 ガイダンス――中国共産党史と「理論」
第2回 中国社会主義の源流――五・四上海ストライキとアナルコ・サンジカリズム
第3回 陳独秀の社会主義受容とアナボル論争(1)
第4回 陳独秀の社会主義受容とアナボル論争(2)
第5回 中国国民革命論の展開――瞿秋白の「一回革命論」の問題性
第6回 中国共産党史へのスターリン主義の登場――瞿秋白の例
第7回 中国共産党史の党内抗争(1)――糾弾用語としての「路線」の登場
第8回 中国共産党史の党内抗争(2)――党内粛清と毛沢東独裁
第9回 中国共産党史における都市と農村(1)――「都市中心論」は存在したか?
第10回 中国共産党史における都市と農村(2)――李立三と毛沢東の戦略
第11回 中国共産党の党内民主――意思決定における論争を中心に
第12回 中国革命におけるトロツキズム運動――陳独秀の思想と行動
第13回 陳独秀の「最後の見解」をめぐって
第14回 中国共産党理論闘争史序説
第15回 中国共産党理論闘争史総括

山口正晃 敦煌学入門

(授業の概要・目的)
いわゆる「敦煌文献」が発見されてから百年余りが経過した。その間、多岐にわたる敦煌文献の豊富な内容に基づいて、非常に多様かつ膨大な研究が展開・蓄積され、いつしか「敦煌学」と呼ばれるようになった。特に近年、世界中に分散所蔵されている各コレクションの情報公開が劇的に進んだことにより、敦煌学は新たな活況を呈しているが、その流れの中で、かつて敦煌学を牽引してきた日本の学界は「活況を呈している」とは言い難く、そもそも初学者が敦煌学に触れる機会も限定されているように見受けられる。そこで本講義では、敦煌の歴史地理および敦煌文献の概要を解説したうえで実際にいくつかの文献を読み解く形で、これまで蓄積されてきた敦煌学の成果の一端を紹介する。

(授業計画と内容)
第1回 ガイダンス
第2~4回 敦煌の歴史と地理
第5~8回 敦煌文献の概要(小テストを含む)
第9~14回 敦煌文献の釈読および解説
 ※ 今年度は社文書を中心に読んでゆきます。
第15回 フィードバック

太田出 中国近世の訴訟と地域社会

(授業の概要・目的)
明清時代を対象とする中国近世の法制史研究では、近年、地域社会において実は訴訟を起こすこと自体がかなり身近なものであり、「健訟」(盛んに訴訟を行う)と呼ばれるような状況が現出していたことが明らかにされている。本講義では、明清時代の裁判機構、法典、裁判文書について概要を説明した後、明清時代の裁判の性格をめぐる議論を整理しながら、地域社会の秩序形成を紛争と調停、判決の性格といった視点から捉えなおしてみる。史料としては、基本法典のほか、行政最末端の地方官庁レヴェルの裁判史料、さらに司法官が自らの名裁きを誇示するために出版した判決集=判牘を用いることにする。

(授業計画と内容)
第1回:ガイダンス
第2回:明清時代の裁判機構
第3回:明清時代の法典
第4回:明清時代の裁判文書(一)──中央档案と地方档案
第5回:明清時代の裁判文書(二)──判牘
第6回:明清時代の紛争と調停
第7回:明清時代の判決の性格
第8回:明清時代の人々にとって訴訟はどれぐらい身近なものだったか?
第9回:誰が訴状を書いたか?──代書
第10回:当時、弁護士はいたか?──訟師
第11回:訴訟関係者はどのようにして呼び出されたか?──胥吏・衙役
第12回:訴訟関係者はどこに宿泊したか──歇家
第13回:州県行政から見た裁判と徴税
第14回:明清時代の訴訟と地域社会
第15回:期末試験
第16回:フィードバック

矢木毅 朝鮮史詳説(古代篇1)

(授業の概要・目的)
朝鮮半島に展開した諸部族・諸国家の歴史を概観し、古代における政治・社会の特質について考察する。漢文史料の読解能力を高めるとともに、東アジア世界(特に中国史)との連関のなかで朝鮮史への理解を深めることを目的とする。

(授業計画と内容)
1.朝鮮史の舞台
2.衛氏朝鮮と楽浪郡
3.高句麗の建国
4.遼東の公孫氏政権
5.遼東の慕容氏政権
6.高句麗の遼東進出
7.百済の建国
8.加耶諸国と倭国
9.新羅の建国
10.新羅の建国(続き)
11.隋唐帝国と高句麗
12.百済の滅亡
13.高句麗の滅亡
14.高句麗の滅亡(続き)
15.まとめ(史料講読)

村上衛  仲介者のつくる歴史 伝統中国

(授業の概要・目的)
グローバル化が進展する現在、ビジネスの世界で仲介者の果たす役割はますます大きくなっている。例えば、企業がある地域に進出する場合、現地の言語・事情に通じ、信頼のおける有能な仲介者を確保しなければ、その事業は失敗に終わるであろう。本講義は、こうした仲介者の意義について、伝統中国(主として19世紀中葉まで)における事例を中心に、中国経済の歴史的展開をふまえつつ考察してみたい。

(授業計画と内容)
1. ガイダンス
2. 古代中国経済と商業
3. 隋唐帝国経済と商業
4. 宋代商業の発展と仲介者
5. モンゴル時代のユーラシア商業
6. 明代経済の展開と牙行(1)
7. 明代経済の展開と牙行(2)
8. 東アジア海域交流と仲介者
9. 倭寇的状況と仲介地(1)
10. 倭寇的状況と仲介地(2)
11. 明清交替期の海域世界と仲介者
12. 清代海上貿易の展開と仲介者
13. 海域近代の始まりと仲介者
14. まとめ
15. フィードバック

岩井茂樹 近世東アジアの交易と外交 Ⅱ

(授業の概要・目的)
中国が近隣地域と交易するさい、安全保障と徴税の確保のため、官府がこれを管理しようとした。宋代以降の市舶司、清代の海関はこの目的を果たすために設置された。また、周辺の諸国においても、体外交易を管理する制度が整備されていった。この講義では、このような交易制度に関係する資料を読み解きながら、制度変遷の過程を考察する。さまざまな時代の資料についての知識と、それを解読する技能とを高めるとともに、交易の制度や商人の活動、および外交との関わりなどについて、歴史的な理解を深めることを目的とする。
後期の授業では,明代永楽年間から明末期までを対象とする。

(授業計画と内容)
1. 明代の朝貢貿易と市舶司の性格について(第1~4週)
2.海禁の弛緩と広州における課税貿易の制度(第5~8週)
3.倭寇問題と福建の海禁緩和(第9~12週)
4.日本への「通番」(第13~15週)

田口宏二朗 経済成長の中国史

(授業の概要・目的)
この授業の前半では、10世紀以降の「中国」における経済パフォーマンスについて、数量的な側面からアプローチする。特にマディソンやアレン、馬徳斌・劉光臨らの議論と問題点を摘示しつつ、あらたな長期歴史経済統計をこころみる。
後半では、以上の比較史研究における難問、「分析単位」問題を考えるとともに、制度論モデルの構築にむけて踏み出してゆきたい。

(授業計画と内容)
第1回 はじめに
第2-3回 マディソン系列と中国の長期GDP
第4-5回 マディソン=プロジェクトによる補正数値と国別GDP比較 
第6-7回 PPPとヌメレール
第8回 テスト
第9-10回 経済成長と経済発展:史学史的考察
第11-12回 ポメランツ論争と比較制度史
第13-15回 制度論の構図

講義内容【演習】

石川禎浩 中国共産党史資料選読

(授業の概要・目的)
中国現代史の史料一般についての基本的な知識を得たうえで、中国共産党史に関する中国語資料を精読する。中国共産党史に関する資料を読むことによって、中国革命に対する理解を深める。

(授業計画と内容)
中国共産党史関連資料のうち、『建党以来重要文献選編』から関連文献を選んで精読する(全15回)。具体的には、党の諸会議で決議された文書、党中央から各組織に対して出された指示など、主として政治運動に関する文献を取り上げる。必要に応じてそれら文書の背景となるコミンテルン資料も読む。なお、史料の内容や背景を理解するには、一定の中国革命史・現代史にかんする全般的基礎知識が必要なので、講義形式の解説を必要に応じて加えることとする。
 初回と2回目の授業で史料について解説を行った後,3回目以降は担当者を決めて史料を読み進めていく予定である。なお、授業の進捗と受講者の状況によって、上記の予定は変更することがある。

高嶋航 梁啓超『飲冰室合集』選読

(授業の概要・目的)
梁啓超の文集『飲冰室合集』から重要な文章を選読する。

(授業計画と内容)
初回はガイダンスで二回目から読み進める。前期は「清議報一百册祝辭并論報館之責任及本館之經歴」から読む。近代漢文を読解し、日本や西洋の影響を読み取ることを心懸ける。

中砂明徳 グローバル・ヒストリーとは何か

(授業の概要・目的)
「グローバル・ヒストリー」の必要性が呼号されるようになってかなりの時間が経ったが、看板はともかくその内実は何なのか、授業担当者自身いまだによくわかっていない。この授業では、グローバル・ヒストリーをうたう書物を十数点とりあげて受講者にそれぞれ検討してもらい、各著者のいうグローバル・ヒストリーとは何なのかを検証する。

(授業計画と内容)
1、趣旨説明
2回~14回 とりあげるのは以下の著作。

高山博『歴史学 未来へのまなざし』2002
川勝平太編『グローバル・ヒストリーに向けて』2002
水島司『グローバル・ヒストリー入門』2010
杉山正明『遊牧民からみた世界史(増補版)』2011
パミラ・クロスリー著、佐藤正彰訳『グローバル・ヒストリーとは何か』2012
秋田茂編『アジアからみたグローバル・ヒストリー』2013
秋田茂編『「世界史」の世界史』2016
羽田正編『グローバル・ヒストリーと東アジア史』2016
羽田正編『グローバル・ヒストリーの可能性』2017
小田中直樹・帆刈浩之編『世界史/いま、ここから』2017
妹尾達彦 『グローバル・ヒストリー』2018
羽田正 『グローバル化と世界史』2018
ピーター・チャップマン著、小沢・立川訳『バナナのグローバル・ヒストリー』2018
 
15回 フィードバック

中砂明徳 『石民四十集』『督師紀略』

(授業の概要・目的)
明末に『武備志』という浩瀚な兵書を著したことで知られる茅元儀の文集『石民四十集』に収録される書簡を読む。科挙に挫折し、進士になれなかった彼は、策士・軍事通として有力政治家や皇帝に文章によって売り込みをかけた。その文章は、「憂国の士人が熱誠を尽くす」といった単純なものではなく、屈曲に満ち満ちていて、たいへん読みづらい。しかし、だからこそ魅力的でもある。特異ではあるが、ある意味では明末の風気をよく映し出した文章でもある。
 今年度は、いよいよ戦線に出た時期(天啓三年・四年 1623・24)の文章を読むとともに、彼の著作『督師紀略』を並行して選読する。

(授業計画と内容)
進度については、受講生次第なので、確言できない。第1回目に、これまで3年間本書を読んできたことをもとにした解説を行い、新規受講者に予備知識を与える。
以下、2回目~14回目まで、毎回書簡を1本ないし2本と『督師紀略』の関係部分を読む。学部生ないし他専修の学生にはより易しい『督師紀略』を、院生には書簡を読んでもらう。
15回目 フィードバック

吉本道雅  『春秋左伝正義』

(授業の概要・目的)
十三経注疏の一つである『春秋左伝正義』を輪読する。

(授業計画と内容)
前期の続き。魯の年代記の形式を採る『春秋』と、その注釈書の形式を採る『左伝』は春秋時代を研究するための基本的な資料である。『春秋』『左伝』の成立過程については今なお活発な議論が進行中である。『左伝』には、西晋・杜預の『春秋経伝集解』、唐・孔頴達の『正義』が附されている。本演習では『正義』を精読することで、漢文を文法的に正確に読解する能力を養うとともに、『正義』の引用する唐代以前の諸文献を調査し、また『正義』の論理構成に習熟することによって、経学の基本的な方法論を理解する。また、先秦期の文献・出土資料を全面的に参照することによって、『春秋』『左伝』の成立過程についても考察し、先秦史研究の資料学的素養を身につける。
第1回~第14回 『春秋左伝正義』の輪読
*フィードバック方法は授業中に説明する。

吉本道雅  中国古代史史料学

(授業の概要・目的)
銭穆『先秦諸子繋年』を輪読し、関連史料・研究を批判的に検討する。

(授業計画と内容)
昨年度の続き。従来の戦国史(453-221BC)研究は、戦国後期の秦史に偏しており、戦国前・中期や六国については、資料の絶対量の乏しさに加えて、『史記』紀年の混乱が、歴史的推移の時系列的把握を困難にしてきた。1990年代以降の戦国楚簡の出現は、とりわけ思想史的研究を活発化させているが、かえって文献に対する研究の立ち後れを露呈させている。本演習では、銭穆『先秦諸子繋年』(香港中文大学、1956)を輪読し、関連史料・研究を批判的に検討することによって、中国古代史研究に関わる文献・出土文字資料・考古学的資料の運用能力を向上させる。
第1回~第15回 『先秦諸子繋年』の輪読
*フィードバック方法は授業中に説明する。