講義案内

講義案内(平成30年後期)

タイ族仏塔(中国雲南省)

タイ族仏塔(中国雲南省)

 

 

時間割(平成30年後期)

特殊講義
矢木
特殊講義
岩井
演習
石川
特殊講義
特殊講義
特殊講義
村上
特殊講義
高嶋
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演習
高嶋
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吉本
特殊講義
浅原
特殊講義
中砂
特殊講義
吉本
演習(院)
中砂
演習
中砂
演習(院)
吉本
集中

 

※(学部)は学部生のみ、(院)は原則大学院生のみの科目。

講義内容【特殊講義】

宮宅潔 中国古代刑罰史概説

(授業の概要・目的)
中国秦漢時代の法制、とりわけ刑罰制度と裁判制度について講義する。わが国にも大きな影響を与えた古代中国の法律・制度は、統一王朝のできあがる秦漢期に、その祖形ができあがった。ただしそこには後代とは違う特色が見られ、古代的な制度が次第に変化していった過程が確かめられる。古代から中世へとむかう歴史のなかで、制度が如何に変化し、その背後に如何なる社会の変化が認められるのか、理解を深めることを目指す。

(授業計画と内容)
1.ガイダンス
2.秦漢法制史研究の歴史
3.秦漢時代の死刑
4.肉刑と労役刑
5.刑罰原理の特色
6.裁判制度の展開

初回のガイダンスの後、各単元を2~3回に分けて講義する。

中砂明徳 明末イエズス会布教史

(授業の概要・目的)
ミケーレ・ルッジェーリとマテオ・リッチに始まるイエズス会の中国布教史は、17世紀ローマのイエズス会士ダニエッロ・バルトリの『チーナ』にまとめられ、本書は今日もスタンダードな布教史であり続けている。その一方、自身中国で布教していたアントニオ・デ・ゴヴェアの布教史『極東アジア(Asia Extrema)』は近年になってようやく翻刻公刊されたが、その認知度は低い。本授業では、本書をバルトリと比較しながら読み、この史料のもつ独自性と価値を探る。

(授業計画と内容)
1、中国イエズス会の歴史記述について
2、『極東アジア』の書誌情報
3、リッチの広東時代
4、リッチの上京
5、布教の進展
6、リッチの死
7、ミカエルの入信
8、南方での進展
9、南京に始まる迫害
10、タルタル人(満州族)の侵攻
11、マカオからの軍事支援
12、魏忠賢の専権
13、福建開教
14、トンキン開教
15、フィードバック

承志 マンジュ語文書を読む

(授業の概要・目的)
この授業では、マンジュ語文語の資料をもとにマンジュ語の中級文法を学ぶ。これによって、マンジュ語文語で書かれた文書資料を読解し、ローマ字転写、翻訳などの基本的な方法を習得する。後期の授業では原文書が読めることを目的とする。

(授業計画と内容)
第1回 『満文原档』の研究史紹介とその研究意義
第2回~第9回 『満文原档』の読解
第10回~14回 マンジュ語文書の検討
第15回 まとめ

太田出 中国近世の関羽信仰とユーラシア世界

(授業の概要・目的)
近世東アジアにおける東西文化交渉の実態について宗教・民間信仰を事例として取り上げる。たとえば唐代中国に信仰されるようになった関羽はその後、宋代・元代をへて、明清時代には全国神へと発展を遂げる。その要因の一つとして注目すべきは軍事行動との関わりである。明代ならば東南沿海地帯における倭寇の襲来、清代ならば乾隆帝の十全武功、太平天国の乱の鎮圧などがあげられる。しかし関羽信仰は満洲や漢地のみにかぎられず、乾隆帝がユーラシア世界に跨がる巨大な版図を形成すると、チベット・モンゴル・新疆へも伝播し、それぞれの地域において他文化との接触・融合・変容を進めていく。本授業では、そうした一連の過程を追いながら東西文化交渉の一端を考えてみることにしたい。

(授業計画と内容)
第1回:ガイダンス
第2回:宗教・民間信仰史研究における関羽信仰
第3回:伝統中国の領域観
第4回:関聖帝君とは何か?
第5回:歴代王朝における関羽信仰
第6回:現代中国・日本・台湾の関羽信仰と関帝廟
第7回:明朝における関羽信仰の伝播(1)──明朝の国家祭祀
第8回:明朝における関羽信仰の伝播(2)──倭寇襲来
第9回:明朝における関羽信仰の伝播(3)──豊臣秀吉の朝鮮出兵
第10回:清朝のユーラシア世界統合と関聖帝君(1)──乾隆帝の十全武功
第11回:清朝のユーラシア世界統合と関聖帝君(2)──新疆と回部
第12回:清朝のユーラシア世界統合と関聖帝君(3)──モンゴルと台湾
第13回:清朝のユーラシア世界統合と関聖帝君(4)──両金川とベトナム
第14回:清朝のユーラシア世界統合と関聖帝君(5)──清朝の版図統合と宗教的権威
第15回:おわりに

浅原達郎 説文解字(字音)

(授業の概要・目的)
清代の学者による説文解字の注釈を,とくに字音に重点を置いて読みながら,古文字学の基礎となるべき説文解字の読み方を探る。

(授業計画と内容)
ひたすらていねいに読むことを心がけるが,ただ,出土文字資料との関連には留意したい。説文解字のどの文字を読むかは,受講者の希望を聞いて決める。テキストには,段玉裁『説文解字注』(経韻楼本)を用いる。受講者おのおのが一冊準備して持参することを前提とする。講義の進め方の詳細については,初回の授業で説明する。
第1回 ガイダンス
第2回~15回 説文解字の読解

吉本道雅 戦国時代の歴史記述

(授業の概要・目的)
『左伝』は『春秋』の注釈の形式を採りつつ722-468BCの歴史を編年体で記述する。『左伝』の影響のもと、戦国時代には春秋時代を対象とする歴史記述が展開した。清華簡『繋年』は西周時代から戦国時代初期の歴史を紀事本末体で記述し、『国語』は周魯斉晋鄭楚呉越の国別史の枠組みで賢者の言論を時代順に並べる。これらを素材に、前4~前3世紀における歴史記述・歴史認識のありかたを考える。

(授業計画と内容)
以下の項目を逐次論ずる。
第1回~第4回 『左伝』
第5回~第9回  『繋年』
第10回~第14回 『国語』
*フィードバック方法は授業中に説明する。

辻正博  唐宋法制文献要説

(授業の概要・目的)
唐宋時代の主要な法制文献について解説を加えるとともに、代表的な箇所を選読する。日本古代の政治制度にも大きな影響を与えた唐代の律令格式について理解を深めるとともに、宋代の法制がどのように唐制を発展的に継承したかについても理解を深めてほしい。

(授業計画と内容)
 以下のそれぞれテーマについて、おおむね2週を目途に講義を進める。
 なお、初回授業(ガイダンス)時に、学期の授業計画および講義で必要される諸事項について説明を行うので、必ず出席すること。

1.律関係文献
(1)唐律
(2)律疏と『故唐律疏議』
(3)宋刑統
2.令関係文献
(1)唐令
(2)『唐令拾遺』と『唐令拾遺補』
(3)『天聖令』残巻
3.格・式関係文献
(1)唐格
(2)唐式
4.「事類」関係文献
(1)『格式律令事類』
(2)『慶元条法事類』
5.判語関係文献
(1)唐判語資料
(2)『名公書判清明集』

江田憲治 

(授業の概要・目的)
本授業では、東アジア、とくに中国の政治制度や思想を対象領域とし、研究論文・研究書、一次史料を素材としたゼミ形式の授業を行う。
 先行研究の取り扱いや一次史料の収集・利用についての必要な陶冶を行い、研究発表の訓練を行うことが目的である。

(授業計画と内容)
①ガイダンス
②中国現代政治史概説
③中国現代政治史についての研究紹介 
④研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑤研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑥研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑦研究論文・研究書を素材としたゼミ
⑧一次史料を素材としたゼミ
⑨一次史料を素材としたゼミ
⑩一次史料を素材としたゼミ
⑪一次史料を素材としたゼミ
⑫一次史料を素材としたゼミ
⑬一次史料を素材としたゼミ

矢木毅 朝鮮史詳説(近世篇6)

(授業の概要・目的)
朝鮮後期(17~19世紀)における政治史・外交史を概観し、近世朝鮮社会の特質について考察する。漢文史料の読解能力を高めるとともに、東アジア世界との連関のなかで、朝鮮半島の歴史について深く理解することを目的とする。

(授業計画と内容)
後期は哲宗朝における勢道政治の展開と高宗朝における外交について考察する。

第1講 哲宗朝の政局
第2講 党争の再燃
第3講 三南の民乱
第4講 三政の紊乱
第5講 高宗朝の政局
第6講 丙寅の教難
第7講 丙寅洋擾
第8講 辛未洋擾
第9講 朝鮮の開国
第10講 壬午軍乱
第11講 日清戦争
第12講 大韓帝国
第13講 日露戦争
第14講 韓国併合
(フィードバック:関連資料講読)

村上衛  仲介者のつくる歴史 近現代中国

(授業の概要・目的)
グローバル化が進展する現在、ビジネスの世界で仲介者の果たす役割はますます大きくなっている。例えば、企業がある地域に進出する場合、現地の言語・事情に通じ、信頼のおける有能な仲介者を確保しなければ、その事業は失敗に終わるであろう。本講義はこうした仲介者の意義について、近現代中国(19世紀中葉~20世紀中葉)の事例を中心に、中国経済の変容をふまえつつ考察する。同時に世界の他地域の仲介者や現在の仲介者と比較してみたい。

(授業計画と内容)
1. ガイダンス
2. 海域近代のはじまりと仲介者
3. 開港場貿易:外国人商人と買弁
4. 苦力貿易と客頭
5. 開港場貿易の発展と行桟
6. 外国籍華人と在華外国領事の役割(1)
7. 外国籍華人と在華外国領事の役割(2)
8. 工業化と日系企業のあり方:日系商社、在華紡
9. 前近代東南アジア海域の仲介者
10. 前近代インド洋世界の仲介者
11. 前近代地中海世界の仲介者
12. 現代の多国籍企業と仲介者
13. 現代中国の仲介の場:香港・「経済特区」
14. まとめ
15. フィードバック

岩井茂樹 前近代の外交と文書資料 Ⅳ

(授業の概要・目的)
中国では官府の保存公文書を「案巻」などと称していた。清朝時代にはあらたに「档案」という用語が使われるようになった。案巻や档案は史書や地方誌の編纂のさいに利用されることはあったものの,朝廷の内閣大庫や地方官衙の架閣庫などに保管され,公開利用などの制度はなかった。1920年代末に内閣大庫の档案が市中に流出する事件が起こってから,あらためてその価値が認識され,保存措置が講じられるとともに,1930年代以降,中央研究院などによる組織的な研究が開始された。今日にいたるまで中国・台湾ですすめられた档案資料の整理・出版は,档案資料の利用におおきな利便をもたらしている。
一方,日本では外國との文書のやりとりのさいに前例を参照する「勘文」の手続きがおこなわれ,その必要から記録が作成された。また,漢文による外交文書を作成するうえでの便宜から過去の文書例を編纂することがおこなわれた。
このようにして伝存した文書資料を利用するための知識と,そこから得られる情報の分析の方法について学ぶ。

(授業計画と内容)
「前近代の外交と文書資料Ⅲ」にひきつづき,江戸幕府が編纂した『通航一覧』および琉球国で編纂された対外関係文書集『歴代宝案』を紹介するとちもに,それらの所収文書や関連資料の釈読を通じて,前近代東アジアの通交の歴史を考察する。
1.『通航一覧』と琉球関係資料(第1~2週)
2.『歴代宝案』および中琉関係档案資料など外交文書の選読(第3~14週)

高嶋航 近代中国と男性性

(授業の概要・目的)
近代中国における男性性の問題を、日本と比較しつつ検討する。

(授業計画と内容)
以下の各項目について講述する。各項目の講義の順序は固定したものではなく、担当者の講義方針と受講者の背景や理解の状況に応じて、講義担当者が適切に決める。
1.男性性の定義、研究史
2.近現代中国における男性性の検討
  1-3.冒険・探検
  4-6.軍事
  7-9.教育
  10-14.ファッションなど

講義内容【演習】

石川禎浩 中国共産党史資料選読

(授業の概要・目的)
中国現代史の史料一般についての基本的な知識を得たうえで、中国共産党史に関する中国語資料を精読する。中国共産党史に関する資料を読むことによって、中国革命に対する理解を深める。

(授業計画と内容)
中国共産党史関連資料のうち、『建党以来重要文献選編』から関連文献を選んで精読する(全15回)。具体的には、党の諸会議で決議された文書、党中央から各組織に対して出された指示など、主として政治運動に関する文献を取り上げる。必要に応じてそれら文書の背景となるコミンテルン資料も読む。なお、史料の内容や背景を理解するには、一定の中国革命史・現代史にかんする全般的基礎知識が必要なので、講義形式の解説を必要に応じて加えることとする。
初回と2回目の授業で史料について解説を行った後,3回目以降は担当者を決めて史料を読み進めていく予定である。なお、授業の進捗と受講者の状況によって、上記の予定は変更することがある。

高嶋航 梁啓超『飲冰室合集』選読

(授業の概要・目的)
梁啓超の文集『飲冰室合集』から重要な文章を選読する。

(授業計画と内容)
初回はガイダンスで二回目から読み進める。近代漢文を読解し、日本や西洋の影響を読み取ることを心懸ける。
大学院生には、上記に加えて、梁啓超の文章を一つ選んで紹介してもらう

中砂明徳 外国語論文のレビュー

(授業の概要・目的)
この授業では、受講者が自らの関心にしたがって外国語(受講者にとっての外国語。英語でも、中国語でも、他の言語でもよい)の論文を選んで、その内容を紹介するととともに、その論文の学界における位置づけを参加者(講師も含む)にわかりやすいように行う。
 かつては、言語ごとに論文のスタイルはずいぶん異なっていた。現在でも、日本語、中国語、英語それぞれ特有の「癖」は存在するが、英語論文の影響により、かなり平準化してきている。外国語論文を読むことで、ある種のスタンダードを知るとともに、その問題点を個々の受講者が感じ取るようになれば、この授業の目的は達成される。

(授業計画と内容)
1回 全体の趣旨説明
2~14回 受講者が1回分を担当する。時間の半分を論文の紹介、評にあて、残り半分の時間で、出席者全員による質疑応答を行う。
受講者の数が少ない場合には、適宜受講者自身の研究発表の場を設ける。
15回 フィードバック

中砂明徳 『明清档案』

(授業の概要・目的)
中央研究院が刊行中の『明清档案』に収録されている清朝順治年間の文書を読み、中国制圧の過程を清朝サイドから見てゆく。明清の王朝交代は、日本では「華夷変態」として、またヨーロッパでも宣教師によってそのニュースが紹介されるなど、大事件として受けとめられていた。しかし、明末清初の動乱に関する歴史記述とそれを承けた研究は、満州人王朝の世界史的意義が強調されるようになった今日においてもなお「敗者」の側に片寄りすぎている。あらためてこの史料集を読むことで、勝者の視点から冷静に支配確立の過程を見てゆきたい。
 今年は順治四年(1647)の档案を読む。前年に広州が清軍の手に落ちたことで天下は安定に向かうかと思いきや、そうではなかった。清朝支配の試行錯誤の過程を、文書を通じてたどってゆく。

(授業計画と内容)
1、『明清档案』のテキストの性格を説明し、昨年読んだところについて言及しながら、順治元年~三年にわたる政治情勢について解説する。 1コマにつき一本を読む予定。以下はその内容。
2、平定後の広東
3、湖南勝報
4、広東の官僚の綱紀粛正
5、広東の不安
6、山東の賊
7、山東の賊
8、陝西蝗害
9、湖北叛乱
10、塩政
11、直隷大盗
12、満洲逃婦
13、洪承疇のミス
14、違旨蓄髪
15、フィードバック

吉本道雅  『春秋左伝正義』

(授業の概要・目的)
十三経注疏の一つである『春秋左伝正義』を輪読する。

(授業計画と内容)
前期の続き。魯の年代記の形式を採る『春秋』と、その注釈書の形式を採る『左伝』は春秋時代を研究するための基本的な資料である。『春秋』『左伝』の成立過程については今なお活発な議論が進行中である。『左伝』には、西晋・杜預の『春秋経伝集解』、唐・孔頴達の『正義』が附されている。本演習では『正義』を精読することで、漢文を文法的に正確に読解する能力を養うとともに、『正義』の引用する唐代以前の諸文献を調査し、また『正義』の論理構成に習熟することによって、経学の基本的な方法論を理解する。また、先秦期の文献・出土資料を全面的に参照することによって、『春秋』『左伝』の成立過程についても考察し、先秦史研究の資料学的素養を身につける。
第1回~第14回 『春秋左伝正義』の輪読
*フィードバック方法は授業中に説明する。

吉本道雅  中国古代史史料学

(授業の概要・目的)
銭穆『先秦諸子繋年』を輪読し、関連史料・研究を批判的に検討する。

(授業計画と内容)
前期の続き。従来の戦国史(453-221BC)研究は、戦国後期の秦史に偏しており、戦国前・中期や六国については、資料の絶対量の乏しさに加えて、『史記』紀年の混乱が、歴史的推移の時系列的把握を困難にしてきた。1990年代以降の戦国楚簡の出現は、とりわけ思想史的研究を活発化させているが、かえって文献に対する研究の立ち後れを露呈させている。本演習では、銭穆『先秦諸子繋年』(香港中文大学、1956)を輪読し、関連史料・研究を批判的に検討することによって、中国古代史研究に関わる文献・出土文字資料・考古学的資料の運用能力を向上させる。
第1回~第14回 『先秦諸子繋年』の輪読
*フィードバック方法は授業中に説明する。