講義案内

 

陽光に輝くステンドグラス(サント・シャペル)

講義案内(平成28年度)

前・後期 独書講読(藤井俊之) 前・後期 仏書講読(小山哲)

前期 英書講読(佐藤夏樹)

後期 英書講読(小野容照)

前・後期 特殊講義(小山哲) 前期 英書講読(伊勢田哲治)

後期 英書講読(中山俊)

期 特殊講義(伊藤順二) 演習 西洋史学実習(南川・小山・金澤) 卒論演習(演習Ⅴ)

前・後期 特殊講義(王寺賢太)

前期 特殊講義(林田敏子)

後期 特殊講義(藤井崇)

期 露書講読(伊藤順二) 前・後期 特殊講義(藤原辰史) 大学院演習
講義(金澤周作) 期 特殊講義(小関隆)

期 特殊講義(高橋宏幸)

期 イタリア語講読(村瀬有司)

後期 ポーランド講読(小山哲) 期 特殊講義(南川高志) 演習,,
集中(前期):特殊講義(踊共二) ※:西洋史セミナーは前期のみ

◇講義内容【講義】

    • 【通年】 金澤周作  西洋史学序説

<授業の概要・目的>

授業全体のテーマ:ヨーロッパ史学史にみる歴史への接近法
過去は変えられない。しかし、歴史は変わる。歴史とは、過去の見方である。すなわち、歴史を学ぶとは、単に重要な過去の事実を幅広く記憶するというだけではなく、多分に、過去の見方の多様性や変遷を知ることにほかならない。そして、さまざまな見方に触れるほどに、現在や未来の諸課題にも、柔軟性をもって取り組むことができるであろう。そこで本講義では、近代歴史学の基礎をなし、現在もなお世界の歴史研究にとって重要なインスピレーションの源となっているヨーロッパ歴史学の歴史を概観する。それによって、けっして時代遅れでも有効期限切れでもない、しかも、互いに相いれないがいずれも説得的でもあるような、多彩な過去の見方を紹介し、歴史学的思考を深める素材を提供することを目的とする。

<授業計画と内容>

本講義では、下記の各項目について1~2回に分けて授業を行う。
前期:①過去とは何か/歴史とは何か ②古代ギリシアと歴史の誕生 ③古代ローマの歴史叙述 ④中世ヨーロッパにおけるキリスト教と歴史 ⑤ルネサンスと新しい歴史 ⑥啓蒙の時代の歴史叙述 ⑦ヘーゲルとマルクスの歴史観 ⑧ランケとブルクハルトの歴史研究 ⑨マックス・ヴェーバーの方法 ⑩アナール学派
後期:①論争する歴史学 ②比較史・関係史 ③数量史 ④下からの歴史 ⑤女性史・ジェンダー史 ⑥文化史・心性史 ⑦微視的な歴史 ⑧グローバルな歴史・トランスナショナルな歴史 ⑨海の歴史・山の歴史 ⑩ケース・スタディ:17世紀危機論争
テーマに応じて受講生との対話を踏まえながら授業を進める。

◇講義内容【特殊講義】

    • 【前期】 南川高志  ローマ帝国の成立と世界史の誕生―世界史の転換点に関する研究(1)

<授業の概要・目的>

人類が古代において経験した重要な出来事のひとつは、国家の形成である。当初その多くは都市国家の形態をとっていたが、多数の都市や住民を支配下に置く大きな国家、とくに帝国と呼ばれるものが出現した。帝国は古代にいくつか現れ、歴史の展開に影響を及ぼしたが、中でもローマ帝国は広大な支配領域と強大な軍事力を持つだけでなく、中央集権的な統治機構など高度なシステムと洗練された文化をともなっていた。そして、古代ばかりでなく、帝国終焉後も強国のモデルなどとして使われることとなった。この講義では、この世界史的意義のあるローマ帝国の成立を論じる。
ローマ帝国の成立はローマ皇帝の出現と同じではない。帝国ローマの成立は、ローマ国家が共和政をとっていた紀元前2世紀のことである。この講義では、帝国の成立の状況や意義を、その時代に生きた最初の「世界史家」ポリュビオスの生涯や記述と絡めながら論じる。そして、ローマ帝国成立が、時代の転換点としてどのように捉えられるか、考察を試みる。なお、この授業は、長らくローマ帝政期を専門としてきた講義担当者にとって、初めての共和政期についての特殊講義の試みである。

<授業計画と内容>

本講義では、まず第1回目に、序論として、ローマ帝国が紀元前2世紀に成立したとする解釈について、研究史を踏まえつつ説明する。第2回目からは、以下のテーマについての講義を、それぞれ3~5回おこなう。

① 共和政時代ローマ国家の歴史的展開を概観的に説明する。
② ポリュビオスの生涯と作品
③ ヘレニズム諸国家とローマとの関係

講義以外に、筆記試験とフィードバックを実施する。
本講義は、後期に同じ曜日・時限で開講される特殊講義「ローマ帝国的秩序の崩壊―世界史の転換点に関する研究(2)」と密な関連を持っているので、後期も連続して受講することが望ましい。

    • 【後期】 南川高志  ローマ帝国的世界秩序の崩壊―世界史の転換点に関する研究(2)

<授業の概要・目的>

ローマ帝国は紀元後4世紀の後半には衰退して同世紀末には東西に分裂し、5世紀の後半に西側部分(いわゆる西ローマ帝国)は消滅したと一般に語られる。私見に拠れば、ローマ帝国は4世紀の後半までは、従来想定されてきたよりもはるかに国家として強力であったが、378年のアドリアノープルでの敗戦後、急速に衰退した。ところで、4世紀後半から5世紀にかけて生じたローマ帝国の衰退という政治的な現象は、社会や宗教、文化まで視野に入れた場合、どのように理解、意義づけすることが望ましいのだろうか。本講義は、こうした問題関心に立って、ローマ帝国の衰退という帝国的秩序の崩壊を、1つの重要な時代の転換点として理解するための考察を行う。

<授業計画と内容>

第1回目は、序論として、ローマ帝国とその衰退が世界史上に持つ意味について、従来提示されてきた見解をごく簡単に紹介しつつ、問題の射程とおもだった研究テーマについて紹介する。
第2回目以降は、以下の内容について3~5回講述する。
① 4世紀から5世紀のローマ帝国の全般的な歴史的展開を概説する。
② ローマ帝国の西半(西ローマ帝国)地域の動向を、政治、軍事、社会、宗教、文化に至るまで、皇帝政府ではなく、他者の視点から考察する。
③ ローマ帝国の東半(東ローマ帝国=初期ビザンツ帝国)地域の動向を、政治、軍事、社会、宗教、文化に至るまで、皇帝政府ではなく、他者の視点から考察する。
④ ローマ帝国的秩序が崩壊することによって新たに生まれてきた世界の本質的な性格について、あたう限り考察する。
さらに、試験とフィードバックをおこなう(各1回)。

    • 【前期】 小山哲  ポーランド・ルネサンス――思想と行動(1)

<授業の概要・目的>

この講義では、近世前半(15世紀末から17世紀初頭)のポーランド・リトアニアにおける人文主義の導入と展開の経緯を、思想史的・政治史的に考察することを目的とする。
近世のポーランド・リトアニア共和国は、ラテン・キリスト教圏の東の辺境に位置し、西方と東方のキリスト教文化が出会う場であると同時に、イスラーム圏と接するキリスト教世界の境界地域でもあった。この国はまた、貴族身分の成員が国王を選挙で選び、議会を中心に国政を運営する貴族共和制を確立したことで知られる。
貴族共和制の制度的枠組みが確立した近世前半は、ポーランド・リトアニアにおけるルネサンスの最盛期でもあった。人文主義は、貴族共和制を支える国家理念の枠組みを提供した。人文主義者は、貴族身分の成員に、あるべき人間像を提示した。人文主義はまた、広大な領土を統合するアイデンティティを構築するうえでも重要な役割を演じた。
この講義では、ルネサンス文化のポーランド・リトアニアへの導入の経緯を概観したうえで、ポーランド・リトアニアの人文主義者による国家論、社会編成論、人間類型論をとりあげ、その特徴を考察する。

<授業計画と内容>

以下のような内容について講義する予定である。
(1)北の森のサチュロス――ポーランド・ルネサンスへの誘い
(2)新しい波(1)――イタリアからの客人
(3)新しい波(2)――エラスムスとポーランド
(4)新しい波(3)――ペレグリナティオ・アカデミカ
(5)新しい波(4)――「共和国の苗床」としての国王官房
(6)国家のデザイン(1)――王権か、諸身分か
(7)国家のデザイン(2)――「全身分の共和国」をめざして
(8)国家のデザイン(3)――アリストテレスにキリストを乗せる国家論
(9)国家のデザイン(4)――リトアニアからの声
(10)社会編成論(1)――ミコワイ・レイの三職分経綸問答
(11)社会編成論(2)――徴税者のまなざし
(12)理想の人間像(1)――「地主」
(13)理想の人間像(2)――「宮廷人」
(14)理想の人間像(3)――「元老院議員」
(15)人文主義者の女性観
なお、授業の進行状況により、項目の順序や内容を変更することがある。

    • 【後期】 小山哲  ポーランド・ルネサンス――思想と行動(2)

<授業の概要・目的>

この講義では、近世前半(15世紀末から17世紀初頭)のポーランド・リトアニアにおける人文主義の導入と展開の経緯を、思想史的・政治史的に考察することを目的とする。
近世のポーランド・リトアニア共和国は、ラテン・キリスト教圏の東の辺境に位置し、西方と東方のキリスト教文化が出会う場であると同時に、イスラーム圏と接するキリスト教世界の境界地域でもあった。この国はまた、貴族身分の成員が国王を選挙で選び、議会を中心に国政を運営する貴族共和制を確立したことで知られる。
貴族共和制の制度的枠組みが確立した近世前半は、ポーランド・リトアニアにおけるルネサンスの最盛期でもあった。人文主義は、貴族共和制を支える国家理念の枠組みを提供した。人文主義者は、貴族身分の成員に、あるべき人間像を提示した。人文主義はまた、広大な領土を統合するアイデンティティを構築するうえでも重要な役割を演じた。
この講義では、ルネサンス期の民族起源論、戦争論と植民論、「合意国家」論、自由論をとりあげ、その特徴を考察する。

<授業計画と内容>

以下のような内容について講義する予定である。
(1)問題としてのポーランド・ルネサンス
(2)サルマチア起源論の系譜(その1)
(3)サルマチア起源論の系譜(その2)
(4)戦争と平和――3つの戦争論
(5)もうひとつのインド――ウクライナ植民論の展開
(6)「法の執行」運動(その1)
(7)「法の執行」運動(その2)
(8)ヘンリク・ヴァレジィ体験――最初の国王自由選挙
(9)宗教的平和の保障――ワルシャワ連盟協約(その1)
(10)宗教的平和の保障――ワルシャワ連盟協約(その2)
(11)国王との契約――ヘンリク諸条項(その1)
(12)国王との契約――ヘンリク諸条項(その2)
(13)「真の自由」とは何か――グルニツキ、スカルガ、ヴォラン
(14)ロコシュの思想――シュラフタ民主主義の可能性と限界(その1)
(15)ロコシュの思想――シュラフタ民主主義の可能性と限界(その2)
なお、授業の進行状況により、項目の順序や内容を変更することがある。

 

    • 【前期】 伊藤順二  アルメニア人と帝国

<授業の概要・目的>

ソヴェト政権確立までのロシアとオスマン帝国におけるアルメニア人の動きを概観する。
アルメニア人は二重三重の含意を込めて「カフカスのユダヤ人」と呼ばれていた。アルメニア人の多くはキリスト単性論、すなわちカトリックや正教会から見れば異端の教義を信仰するキリスト教徒であり、ユダヤ教徒とは交易離散共同体(ディアスポラ)としての共通点が多い。19世紀後半以降、「アルメニア人問題」は列強間の国際問題化し、ロシアとオスマンの両帝国においてアルメニア人の立場は微妙なものとなっていた。第一次世界大戦期のアルメニア人強制移住と虐殺は、ナチスドイツによるユダヤ人問題の「最終的解決」を準備したといえる。本講義では、帝国と国民国家の問題としてアルメニア人の歴史を考えたい。

<授業計画と内容>

以下の内容について、各1-2回の講義を行う予定である。
・イントロダクション:アララト山とカラバフ、歴史問題と領土問題
・交易離散共同体
・ロシアのカフカス統治
・「アルメニア問題」とバルカン問題
・イラン立憲革命
・第一次世界大戦:ロシアの「異民族」動員
・第一次世界大戦:オスマン帝国による強制移住と虐殺
・アルメニア共和国の成立
・強制移住の記憶:アルメニア

    • 【後期】 伊藤順二   ロシア帝国の第一次世界大戦

<授業の概要・目的>

クリミア戦争後、ロシアは一般兵役義務の導入にともなって民衆的ナショナリズムを鼓吹した。ロシア的メシアニズムはスラヴの同胞の救済だけではなく、ヨーロッパの没落と新世紀の到来を夢想し、様々な文化的・政治的運動に影を落とした。また多民族帝国としてのロシアの統治経験は、様々な形で戦時制作に影響した。本広義では第一次世界大戦を主軸に、ロシア帝国の戦争遂行の実践を世界史的に位置づけたい。

<授業計画と内容>

以下の内容について、各1-2回の講義を行う予定である。
・イントロダクション
・帝国統合と反乱
・住民移動
・オスマン帝国とイラン
・バルカン戦争
・第一次世界大戦とナショナリズム
・大戦と強制移住
・カフカス戦線

    • 【前・後期】 王寺賢太  ディドロとエカテリーナ2世ーー『訓令についての考察』を読む

<授業の概要・目的>

 フランスの哲学者ディドロが、1773~74年のロシア旅行後、女帝エカテリーナ二世に宛てて綴った『訓令についての考察 Observations sur le Nakaz』の読解を行う。ここで言う『訓令』とは、エカテリーナ二世が1767年に立法委員会に宛てて著したロシアの法制改革に際しての原理的考察であり、モンテスキューの『法の精神』を下敷きにしつつ、この後者の専制批判を大幅に切り詰めながら綴られたことが知られている。この『訓令』に対して、ディドロはあらためてモンテスキューに立ち戻り、ロシアで知った政治的・社会的現実を踏まえて、エカテリーナとの対話/対決を行う。また、そこには、エカテリーナに「合法的専制」の理想を託そうとしたフィジオクラット(重農主義者)の『訓令』評釈に対する反論も含まれていることも知られている。
この『訓令についての考察』を、とくに「専制批判」「文明化=農奴解放」「政治的行為と歴史過程の相克」などのテーマに注目しながら読解する。ディドロの議論の背景となる先行者の議論にも解説を加えながら、18世紀西欧の政治・経済的制度の拡大と周辺地域の政治的・思想的応接について考えることが大きな目標である。

<授業計画と内容>

基本的にディドロの『訓令についての考察』を冒頭からフランス語(英訳もあり)で精読しながら、個々のトピックについて説明を加えてゆく。その際、適宜エカテリーナ2世の『訓令』、モンテスキューの『法の精神』など、下敷きにされている先行テクストも参照する。本講義で扱われるのは、以下の主題である。

① ディドロとエカテリーナの対話/対決と『訓令についての考察』
② 18世紀西欧とロシア:西欧のダイナミズムと「東欧」の誕生
③ 専制君主と哲学者:ピョートル大帝とエカテリーナ二世をめぐるフォントネルからルソーまでの評価
④ エカテリーナ『訓令』とモンテスキュー『法の精神』
⑤ ディドロ・エカテリーナ・モンテスキュー:専制批判とその彼方(1)
⑥ ディドロ・エカテリーナ・フィジオクラット:専制批判とその彼方(2)
⑦ ディドロによる「ロシアの文明化=農奴解放」論
⑧ 18世紀における「文明化」概念の発明
⑨ 「文明化」と「政体・習俗の腐敗―再生」というマキァヴェッリ問題
⑩ 「文明化」の一範型:西欧中世末期における土地所有の動態と農奴解放(ハリントンとヒューム)
⑪ なにをなすべきか:ロシアを巡るモンテスキュー/ルソー/ヴォルテール論争の余波
⑫  なにからはじめるべきか:エカテリーナの植民地建設計画をめぐるディドロとフィジオクラット
⑬ 「文明化」=「農奴解放」の射程:公民的自由と政治的自由
⑭ 「文明化」の政治行為と歴史過程
⑮ まとめ

    • 【前期】 小関隆  第二次世界大戦とイギリス(その1)

<授業の概要・目的>

今年度の授業では、イギリス史における第二次世界大戦経験の意味を考える。軍事史的な検討は必要最小限に留め、むしろ戦時の政治、経済、社会、文化、さらには第二次大戦の記憶を重点的に論ずる予定である。前期開講の「その1」では、戦間期および大戦の概略を示したうえで、チャーチル挙国政権から労働党の台頭に至る政治の動向を中心にとりあげる。必要に応じて1945年以降にも論及する。

<授業計画と内容>

以下に掲げたテーマの各々につき、1~3回程度の授業を充てる予定である。
(1) 戦間期とはいかなる時代であったか?
(2) 大戦の概略
(3) チャーチル政権
(4) 「至上の時」と「人民の戦争」
(5) 労働党の台頭
(6) その他

    • 【後期】 小関隆  第二次世界大戦とイギリス(その2))

<授業の概要・目的>

前期の授業に引き続き、イギリス史における第二次世界大戦経験の意味を考える。後期開講の「その2」では、戦時の経済、社会、文化を重点的に論ずるとともに、イギリス帝国=連邦の自治領としては例外的に中立政策をとったアイルランドの動向も視野に収めたい。必要に応じて1945年以降にも論及する。

<授業計画と内容>

以下に掲げたテーマの各々につき、1~3回程度の授業を充てる予定である。
(1) 戦時の経済
(2) 戦時の社会
(3) 戦時のジャーナリズム
(4) 戦時の文化
(5) アイルランドの中立政策
(6) その他

    • 【前期】 林田敏子  女性の「語り」と世界大戦

<授業の概要・目的>

本講義は20世紀に起こった二つの世界大戦を、戦間期を含めた一連の社会変動ととらえることで、大戦がイギリスのジェンダー構造に与えたインパクトを長期的視野からさぐることを目的とする。両大戦の連続性を前提に、戦間期を第二次世界大戦への準備・移行期間ととらえるのではなく、大戦前後の連続性と断絶性の双方に着目しながら、大戦とジェンダーをめぐる諸問題を女性の「語り」に焦点をあてて考察する。女性の「語り」の特徴とその変化を分析することで、1930年代(戦間期)、50年代、70年代という三つの画期をもつ「戦後」という時空間を、大戦像が構築 / 解体 / 再構築される場として歴史的に再考する。

<授業計画と内容>

以下のテーマについて、各々1~3回程度の講義をおこなう。

1.大戦とジェンダー―複数のアプローチ―
2.戦う女たち―陸・海・空軍の女性部隊―
3.史料としてのパーソナル・ナラティヴ
4.大戦の「語り」と女性の「語り」
5.「語り」のなかの階級・家族・セクシュアリティ
6.ライフ・ヒストリーのなかの大戦経験

    • 【後期】 藤井崇 ヘレニズム時代史の諸問題

<授業の概要・目的>

アレクサンドロス大王の死(前323年)からアクティウムの海戦(前31年)までのいわゆるヘレニズム時代の歴史から、特に当時の政治、社会、宗教の分析に有用となるテーマをを取り上げる。その際、重要な文献、銘文、パピルス、貨幣史料に翻訳で触れながら、史料と各テーマの関係を明らかにしていく。

<授業計画と内容>

以下のテーマを中心に講義を進める予定である。

1. ヘレニズム諸王国とポリス世界
2. ポリスの政治文化
3. 軍隊と戦争
4. 経済
5. 言語・文化・宗教とアイデンティティ
6. 辺境のヘレニズム

    • 【前・後期】 藤原辰史 食と農の現代史

<授業の概要・目的>

とりわけ20世紀以降、食と農はどのように変化を遂げてきたのか? ドイツと日本を中心に、食 べものをめぐる制度や文化や技術の変遷を追う。この講義の目的は、現代史の知識を蓄えることで はない。あるいは、現代史の概略をつかむことでもない。現代史を批判的に眺める目を獲得し、食 と農の未来の構築するためのヒントを考えることである。

<授業計画と内容>

前期
1 日本の食をめぐる現状
2 世界の飢餓と飽食をめぐる現状
3 トラクターの歴史
4 第一次世界大戦期のドイツの飢餓
5 台所の歴史学
6 レシピの歴史

後期
1 食べる場所の歴史
2 有機農業の歴史
3 品種改良の歴史
4 農婦の歴史
5 伊藤永之介とその時代

    • 【前期】 高橋宏幸 カエサル『内乱記』精読

<授業の概要・目的>

カエサル『内乱記』をラテン語テキストに即して精読し、カエサルの執筆意図を考究する。

<授業計画と内容>

カエサル『内乱記』はその後の世界史の展開に大きく関わる出来事についての一級の証言であることは疑いない。それと同時に、戦争によって覇権を争った当事者二派のうちの一方の指導者自身の著述であることから、自派の行動の正当化や敵方への批判というプロパガンダ的性格、さらに、いま敵方である相手も戦争終結後は同じローマ人として統合されることを見据える融和的視点が作品の基底にある。これらの要素に着目しながら、読み進める。
第1回 オリエンテーション
第2回~第14回 第1章~ 前48年年初からデュッラキオン近郊の戦いにいたるまでの記述を読む。
第15回 全体のまとめ

    • 【後期】 高橋宏幸 カエサル『内乱記』精読

<授業の概要・目的>

カエサル『内乱記』をラテン語テキストに即して精読し、カエサルの執筆意図を考究する。

<授業計画と内容>

カエサル『内乱記』はその後の世界史の展開に大きく関わる出来事についての一級の証言であることは疑いない。それと同時に、戦争によって覇権を争った当事者二派のうちの一方の指導者自身の著述であることから、自派の行動の正当化や敵方への批判というプロパガンダ的性格、さらに、いま敵方である相手も戦争終結後は同じローマ人として統合されることを見据える融和的視点が作品の基底にある。これらの要素に着目しながら、読み進める。
第1回 オリエンテーション
第2回~第14回 デュッラキオンの戦いを中心にした記述を読む。
第15回 全体のまとめ

◇講義内容【集中講義】

    • 踊共二  西欧キリスト教世界の形成と展開:古代から近世まで

<授業の概要・目的>

この特殊講義の目的は、ヨーロッパおよびヨーロッパと接続する世界のキリスト教の史的展開を古代からプロテスタント宗教改革・宗派分裂の時代(近世)まで概観し、基礎的知識を与え、かつ以下の授業計画に挙げる個別的テーマについて深く考察する

<授業計画と内容>

以下の諸テーマについて、各1~2コマ相当の講義を行う。

1. キリスト教の誕生とヨーロッパへの伝播
2. 対立・融合・併存:古代ヨーロッパの諸宗教とキリスト教
3. 「正統」 をめぐる争い:異端迫害の歴史
(1~3の内容についての小テスト)
4. 死後の世界: 「煉獄」 の誕生
5. 修道院:「祈り、働け」
6. ユダヤ人とムスリム:共存と排除
7. 秘跡と「告白」の文化史
(4~7の内容についての小テスト)
8. 宗教改革:その本質と衝撃
9. 「宗派化」する世界
10. 海を越える宗教問題:ヨーロッパと北米世界
11. 近世日本のキリスト教:現世利益と「アニマの助かり」
(8~11の内容についての小テスト)
12. 全体のまとめ
※授業後のフィードバック・質疑応答にはEメールを用いる。

◇講義内容【演習】

    • 演習Ⅰ  西洋古代史演習 (南川高志)

<授業の概要・目的>

この授業は、ギリシア・ローマ史を中心とする西洋古代史の研究を本格的におこなう能力を養成することを目的とする。外国語で書かれた研究文献を用いて、欧米学界の水準や史料の扱い方を学ぶとともに、欧米の研究の問題点をも理解し、受講者自身の研究の深化に繋げることが課題である。

<授業計画と内容>

西洋古代史演習の具体的な課題の第1は、古代ギリシア・ローマ時代を理解するための重要な論点について、学界の最前線を踏まえた知識を獲得することである。昨年度の授業では、古代の政治について、名著M.I.Finley, Politics in the Ancient Worldをメイン・テキストとし、市民団が政治の主導的な役割を果たした古典期ギリシアとローマ共和政をおもに学んだ。これに対して本年度は、「帝国」をメインテーマに取り上げる。帝国といっても、ローマ帝国だけではない。古代ギリシア・ローマ世界には、ローマ以外に、アレクサンドロスの帝国、ヘレニズム諸王朝、そして民主政体を取りながらも帝国化したアテナイなど、様々な帝国的存在があった。また、検討する内容も、政治や軍事だけでなく、経済活動や社会、そして文化にまでわたる。
授業では、初めて西洋古代史研究を開始する学部生に配慮して、まず第1~3回はメインテーマに関して日本人研究者が発表した関連研究論文を読み、予備知識を得る。さらに、P.Garnsey & D. Whittaker(eds.),Imperialism in the Ancient World(1978)などの古典的な研究論集から数編論文を選んで読み、そののち最近の研究書の検討に移ることを予定している。
授業は、英語で書かれた研究書の訳読ではなく、受講者の間で担当者を決め、担当者による内容紹介を聞いた上で、受講者全員で問題点の検討をおこなう。後期の後半からは、それまでの勉強の成果を踏まえて、受講者自身の研究報告とそれをめぐる討論に移る。

    • 演習Ⅱ  西洋中世史演習 (大黒俊二)

<授業の概要・目的>

西洋中世史に関する基本的な論点や概念、および近年の研究動向について学び、また報告と討論を通じてプレゼンテーションの技法を身に着ける。毎回英語文献の1章を担当者が報告し、それをもとに全員で議論する。英語文献読了後は各受講者が自身の研究関心に沿った報告を行い全員で議論する。

<授業計画と内容>

初回のオリエンテーションの後、歴史学および西洋中世史に関する方法論を論じた邦語文献を読み、その後西洋中世史に関する英語文献2冊を読了する。文献読了後は各自の研究関心に沿った報告を行う。具体的には以下の通りである。
第1回  オリエンテーション
第2回~第4回  J. H. アーノルド(新広記訳)『歴史』岩波書店、2003年。
第5回~第12回  J. H. Arnold, What is Medieval History?, Cambridge, 2008.
第13回~第20回 Ch. Whickham, Sleepwalking into a New World. The Emergence
of Italian City Communes in the Twelfth Century, Princeton, U. P., 2014.
第21回~第30回 各自の研究関心に沿った報告

    • 演習Ⅲ  西洋近世史演習 (小山哲)

<授業の概要・目的>

近世(16~18世紀)のヨーロッパ史にかんする欧米の比較的新しい研究文献を読解し、また、個別の 論点について討論することをつうじて、近世ヨーロッパにかんする基本的な知識を身につけると同 時に、最近の研究動向や研究史上の争点についての理解を深めることを目指す。

<授業計画と内容>

近世前期のヨーロッパ史を鳥瞰する次の本をとりあげ、その内容を正確に理解するとともに、研究の視角や考察の特徴について議論する。

Mark Greengrass, Christendom Destroyed: Europe 1517-1648, Penguin Books UK 2015.

参加者全員による討論をつうじて、ヨーロッパ史における近世とはどのような時代か、近世史を研究する手がかりとなる史料にはどのような特徴があるか、この時代を理解するためにはどのような視点や研究の手法が有効か、といった問題を、さまざまな角度から検討する。なお、後期には、参加者がそれぞれ興味をもつテーマについて研究発表を行い、それにもとづいて全員で討論を行う機会を設ける予定である。

    • 演習Ⅳ  西洋近代史演習 (金澤周作)

<授業の概要・目的>

この演習では、西洋の近代(18世紀半~20世紀初頭)を主体的に探求するのに必要な作法を学ぶ。 そのために、まとまった分量の欧米の研究文献を精読することと、個別の自由発表を行うことを課 す。

<授業計画と内容>

近代史研究は、対象とする場所(国や地域)と時期とテーマに応じて非常に専門化と細分化が進ん でいる。しかし、異なる地域・時代を扱う研究者や、他の学問分野の人々と有意義な対話をしてゆ こうとするならば、ある種の広いパースペクティヴを持たざるを得ないだろう。そこで、演習の前 半(前期)では、1~2回目にイントロダクションを行ったうえで、3~13回に、大きくまた斬新な テーマを多方面から詳細に扱っている研究文献(英語)を、分担を決めて読んでいく。そして14~ 15回で総括をする。こうして、広い視野を学び、さまざまな方法論に触れ、同時に西洋史研究に不 可欠な、英語文献を正確に読解する力を養う。さらに、内容について活発な議論がなされることを 期待している。演習の後半(後期)では、1回のイントロダクションの後、2~14回に、各受講者に、 日ごろの研究成果を報告してもらい、15回目に総括する。

    • 演習Ⅴ  卒論演習 (南川・小山・金澤)

<授業の概要・目的>

卒業論文の研究テーマについて、参加者が中間報告をおこない、教員3名と受講者の全員で討論する。研究報告と討論を通じて研究テーマに関する理解を深めるとともに、研究を進める上での問題点を認識し、卒業論文の完成度を高めることを目標とする。西洋史学専修4回生は必修。

<授業計画と内容>

授業参加者は、原則として2回(前期・後期に各1回)、自身の研究の成果を発表する。前期の発表では、卒業論文の研究テーマを設定した上で、そのテーマに関する研究状況を調査して問題点を抽出し、今後の研究の計画を提示することを課題とする。後期の発表では、自ら設定した研究の課題について、史資料や研究文献を踏まえて検討し考察した内容について報告して、卒業論文の概要を提示することを課題とする。授業参加者には、互いの研究発表を聞くことを通じて西洋史学上の様々な研究テーマに関する理解を深めると同時に、討論に積極的に参加し、各自の研究発表について疑問点や問題点を指摘し合うことによって、卒業論文の質を向上させていくことが求められる。

    • 大学院演習 (南川・小山・金澤)

<授業の概要・目的>

この授業では、受講する大学院生が各自の専門研究の成果を発表し、授業に参加する院生・教員全体でその発表にかんして問題点を指摘し議論する。本演習をつうじて、受講者の大学院における研究の発展に資するとともに、西洋史上の様々な時代・地域にかかわる研究テーマ、研究の視角や手法、史料の特徴とその利用の方法などについて相互に理解を広め、また深める場とする。

<授業計画と内容>

各受講生は原則として2回(前期・後期に各1回)、個人研究の成果を発表する。研究報告は、修士課程の院生には修士論文作成のための中間報告であり、博士後期課程の院生には、学位論文作成の節目となる。それ以外にも、その都度、興味を持ったテーマや、新しい研究動向などについて報告し、時代と地域を越えた議論の機会を提供することも重要である。また院生全員、教員全員が参加して議論することにより、オープンで集団的、客観的な研究指導を行う場としての意味を持つ。

◇講義内容【講読】

    • 【前期】仏書講読 (小山哲)

<授業の概要・目的>

フランス語で書かれた歴史書を精読することをつうじて、フランス語の読解力の向上を図るとともに、歴史研究にかかわる理論、概念、研究方法についての理解を深めることを目標とする。

<授業計画と内容>

この授業では、次の本を講読する。

Nicolas Offenstadt, L’historiographie, 《Que sais-je?》, PUF, 2011.

本書は、歴史学の基本的な考え方や研究の潮流について解説した入門書である。
授業は受講者による訳読と、担当者による解説を中心に進める。フランス語の歴史叙述で用いられる語彙や文体に親しむとともに、歴史研究にかかわる諸問題についての理解を深めることを目指す。

    • 【後期】仏書講読 (小山哲)

<授業の概要・目的>

フランス語で書かれた歴史書を精読することをつうじて、フランス語の読解力の向上を図るとともに、歴史研究にかかわる理論、概念、研究方法についての理解を深めることを目標とする。

<授業計画と内容>

この授業では、次の本のなかからいくつかの項目を選んで講読する。

Historiographies. Concepts et débats, tome I-II, éd. par Ch. Delacroix, F. Dosse, P. Garcia et N. Offenstadt, Gallimard, 2010.

本書は、歴史研究にかかわる概念や論争的な問題について事項別に解説した事典である。各項目は、10数ページの解説と基本文献のリストから成る。
この授業では、いくつかの項目を選んで講読する。授業は受講者による訳読と、担当者による解説を中心に進める。フランス語の歴史叙述で用いられる語彙や文体に親しむとともに、歴史研究にかかわる諸問題についての理解を深めることを目指す。

    • 【前期】独書講読 Ⅰ(藤井俊之)

<授業の概要・目的>

Panajotis Kondylis: Die Aufklaerung im Rahmen des neuzeitlichen Rationalismus (Stuttgart 1981)を読む。

プラトン以来のヨーロッパの思想史を貫く二元論的思考法(主観・客観、神・世界、可能性・現実性、霊魂・身体、知性・感覚、理性・衝動etc.)を、精神と感性の分岐に端を発するものと想定する著者は、本書でその足場を18世紀を中心とする啓蒙主義時代に置いている。それ以前のヨーロッパ的理性の確立へと向かう動きに対して、18世紀を「感性の復権」の時代と位置付ける著者の議論をたどることで、19世紀以後の歴史主義の萌芽をそこに探り、合わせて近代ヨーロッパの歴史を語る言葉について理解を深めたい。

著者は、ドイツ思想史研究の一つの精華である『概念史事典(Geschichtliche Grundbegriffe)』の執筆にも参加している。この点についても授業で紹介したい。

<授業計画と内容>

第一回目にイントロダクションを置いて、その後の授業はテクストの訳読を中心に進める。その際に、全員が一度は担当を持つようにする。また、全体の総括として期末にレポートを課す。

    • 【後期】独書講読 Ⅱ(藤井俊之)

<授業の概要・目的>

Theodor W. Adorno: Stichworte (Frankfurt am Main 1973) から特に一論文Fortschrittを取り上げて読む。

『啓蒙の弁証法』の共著者であるアドルノの著作の精読を通じて、歴史の進歩への信仰を、自然支配を通じた人間理性の展開の現れと規定する彼の歴史哲学への理解を深める。それと同時に、カント、ベンヤミンを始めとして文献中に現れる多くの思想家や著述家への参照をたどることで、啓蒙主義以降の「進歩」概念そのものの歴史を振り返り、近代の歴史意識を対象化することを目指す。

<授業計画と内容>

第一回目にイントロダクションを置いて、その後の授業はテクストの訳読を中心に進める。その際に、全員が一度は担当を持つようにする。また、全体の総括として期末にレポートを課す。

    • 【前期】露書講読 1(伊藤順二)

<授業の概要・目的>

19世紀の文学史を扱う教科書の講読を通じて、ロシア語の一般的読解力を向上させる。

<授業計画と内容>

以下をテクストとする予定である。

Ю. М. Лотман, Учебник по русской литературе для следней школы. Москва, 2000.

原著は九年生(およそ日本の高校一年生に相当)向けの教科書だが原典引用が多く、19世紀ロシア語の常用表現を学習できる。

ただし、受講者の希望によってテクストを変更する可能性もある。
受講人数にもよるが、毎回2,3頁程度、一人あたり一頁程度の割当てで進行する。

    • 【後期】露書講読 2(伊藤順二)

<授業の概要・目的>

19世紀の文学史関連の文献の講読を通じて、ロシア語の一般的読解力を向上させる。

<授業計画と内容>

前期に引き続き、以下をテクストとする予定である。

Ю. М. Лотман, Учебник по русской литературе для следней школы. Москва, 2000.

ただし、関連文献の配布と読解も適宜おこなう。
また、受講者の希望によってテクストを変更する可能性もある。
受講人数にもよるが、毎回2,3頁程度、一人あたり一頁程度の割当てで進行する。

    • 【後期】ポーランド語講読 (小山哲)

<授業の概要・目的>

ポーランド語で書かれた歴史書を精読することをつうじて、ポーランド語の読解力の向上を図るとともに、歴史研究や歴史叙述にかかわる概念や語彙についての理解を深めることを目標とする。

<授業計画と内容>

この授業では、次の本をとりあげ、その一部を読む。

Rafał Stobiecki, Historycy polscy wobec wyzwań XX wieku, Poznań 2014.

本書は、20世紀のポーランドの歴史学を代表する歴史家10名をとりあげて、彼らの学問研究と20世紀の時代状況とのかかわりを論じた史学史の研究である。
授業は受講者による訳読と、担当者による解説を中心に進める。ポーランド語による歴史的な叙述で用いられる語彙や文体に親しむとともに、20世紀後半のポーランドが直面した諸問題や、歴史研究者がおかれた状況についての理解を深めることを目指す。

    • 【前期】イタリア史概説講読 (村瀬有司)

<授業の概要・目的>

ルイージ・サルヴァトレッリのイタリア史の概説書“Sommario della storia d’Italia”を講読する。今年度の前期は、1300年代のイタリア情勢を紹介した第10章<I Visconti, Firenze e il papato>を精読する。
イタリア人による歴史書は、日本人によって執筆されたものとは史観・価値観が異なるうえ、イタリア人の読者を想定したものであるためにこれを読むにあたって必要となる知識もまた異なる。このような原書の講読は、イタリア文化そのものにダイレクトに触れる機会を与えてくれるはずである。また著者サルヴァトレッリの文章は伝統的なイタリア語散文の流れをくむものであり、読解力の養成にうってつけである。
この授業では、イタリア史の基礎知識を習得しつつ、イタリア語文献を正確に読み解く力をつけることが主要な目的となる。なお毎回小テストを行って予習の程度を確認する。

<授業計画と内容>

以下の予定で授業を進めていく。なおフィードバックについては学期末に指示を出す。

第1回(イントロダクション)
使用テキスト並びに講読対象の章について概説する。また授業の進め方、小テスト、評価方法について合わせて説明をする。テキストの冒頭部分を実際に読みながらイタリア語の読解にあたって注意すべき点を確認する予定。

第2回~第15回(第10章<I Visconti, Firenze e il papato>の講読)
必要に応じて文法事項を確認しながらテキストを精読する。重要な専門用語や固有名詞の意味を確かめつつ正確な読解に努める。毎回1ページを目処にテキストを読み進めていく。

    • 【後期】イタリア史概説講読 (村瀬有司)

<授業の概要・目的>

ルイージ・サルヴァトレッリのイタリア史の概説書“Sommario della storia d’Italia”を講読する。今年度の前期は、1300年代のイタリア情勢を紹介した第10章<I Visconti, Firenze e il papato>を精読する。
イタリア人による歴史書は、日本人によって執筆されたものとは史観・価値観が異なるうえ、イタリア人の読者を想定したものであるためにこれを読むにあたって必要となる知識もまた異なる。このような原書の講読は、イタリア文化そのものにダイレクトに触れる機会を与えてくれるはずである。また著者サルヴァトレッリの文章は伝統的なイタリア語散文の流れをくむものであり、読解力の養成にうってつけである。
この授業では、イタリア史の基礎知識を習得しつつ、イタリア語文献を正確に読み解く力をつけることが主要な目的となる。なお毎回小テストを行って予習の程度を確認する。

<授業計画と内容>

以下の予定で授業を進めていく。なおフィードバックについては学期末に指示を出す。

第1回(イントロダクション)
後期の講読個所について概説する。授業の進め方、小テスト、評価方法について確認をした後、テキストの冒頭部分を実際に読み始める予定である。

第2回~第15回(第20章<L’Italia dopo il 1870>の講読)
前期と同様、重要な文法事項を確認しながらテキストを精読する。専門用語や固有名詞の意味を確かめつつ正確な読解に努める。毎回1.5ページを目標にテキストを読み進めていく。

    • 【前期】英書講読 (佐藤夏樹)

<授業の概要・目的>

Marc Rodriguez, Rethinking the Chicano Movement(Routledge, 2014)を読む。
1960年代末から70年代にかけてアメリカ合衆国で興隆したチカーノ運動(Chicano Movement)はヒスパニック/ラティーノの歴史を理解するうえで欠くことのできない重要なテーマの一つである。本書は新世代の歴史家による、最新のチカーノ運動研究である。本書の精読を通して、英語読解の能力を養うとともに、マイノリティの視点からのアメリカ現代史、さらにはヒスパニック/ラティーノ史研究の動向を学ぶことを目標とする。

<授業計画と内容>

本書は序章、終章に加え5つの章から成り立っている。この中からいくつかの章を読んでいくこととする。授業は出席者全員が予習をしてきていることを前提として、事前に報告者(日本語訳する人)を決めない形で行なう。授業中に何人かを指名し、各自複数の文章を訳してもらう。

初回は、授業ガイダンスおよび、本書の背景となる歴史を解説し、2回目から実際に英文を読んでいく予定である。

    • 【後期】英書講読 (小野容照)

<授業の概要・目的>

Gi-Wook Shin and Michael Robinson (eds.), Colonial Modernity in Korea (Harvard University Asia Center, 1999)を読む。戦前の日本の植民地統治によって朝鮮は近代化したのか否かという議論、いわゆる植民地近代化論争は今もなお続いている。本書は、この論争を扱った英語の論文集としては最も代表的なものである。本書の精読を通して、英文読解の力を養うとともに、植民地朝鮮を見る視点、アメリカの朝鮮研究の傾向について学ぶことを目的とする。

<授業計画と内容>

本書は12の論文と序章、終章で構成されている。この中から、いくつかの論文を選んで読んでいく予定である。授業は出席者全員が予習をしてきていることを前提として、事前に担当者(日本語訳する人)を決めない形で行なう。授業中に何人かを指名し、各自複数の文章を訳してもらう。

初回は授業ガイダンスおよび朝鮮の歴史について簡単に説明し、第2回は講読対象となる本の説明(植民地近代化論争史)に充て、第3回から実際に英文を読んでいく予定である。

    • 【前期】英書講読 (伊勢田哲治)

<授業の概要・目的>

この授業ではKeith JenkinsのOn “What is History?”: From Carr and Elton to Rorty and White (1995) を読み、「歴史とは何か」という、歴史学の方法論と歴史の哲学にまたがる問いについて理解するとともに、英文読解力・英文での表現力を身につける。

<授業計画と内容>

全体を通読する時間はないので、総論的部分、エルトン、ローティに関する部分を主に読む。
毎回担当者を決め、テキスト7~8ページ程度を読み進める(予定だが、参加者の英語力等にもよる)。参加者は、担当した部分を全訳するのではなく、事前に資料を準備して要約を行う。
テキストの要約発表は、段落単位で要約をして内容を確認という手順をふむ。要約は事前に作成し、配布すること。方法は授業内で指示する。
一回の担当は受講者の数にもよるがテキスト1ページ。1ページはそのページの最初の段落の区切りから次のページの最初の段落の区切りまでとする。

    • 【後期】英書講読 (中山俊)

<授業の概要・目的>

本講義では、Derek Gillman, The Idea of Cultural Heritage. Revised edition (New York, Cambridge University Press, 2010)を読む。この書は、過去の遺物を誰が所有しどのように保存すべきかを考察するものである。紹介されている様々な事例(ピカソの《ゲルニカ》、《パルテノン・マーブル》など)を通じて、文化遺産がどのように管理されてきたかを学びつつ、過去への向き合い方や今後の文化遺産行政のあり方についての知見を得ることを目的とする。

<授業計画と内容>

第1回 授業ガイダンス
教科書のおおまかな内容や、授業の進め方、予習の仕方、評価方法等について説明する。

第2~15回 教科書の精読
本書は3部構成で、各部はそれぞれ2章で構成されている(全6章で約200ページ)。1回の授業で1章の3分の1から半分(約10~15ページ)を読もうと思うが、受講者の理解度に応じて柔軟に対応する。数段落ごとに筆者の主張をまとめ考察する。逐語訳は部分的に行う。出席者は必ず予習してくること。

 

◇講義内容【実習】

    • 西洋史学実習

<授業の概要・目的>

 この授業は、学生が西洋史の卒業論文を作成するために必要となる研究能力を、知識と技術の両面から身につけることを目的に開講する。具体的な史料(外国語)の分析法、研究情報の収集手順から西洋史研究の方法論や史学思想、さらには論文における議論の作法まで、具体的に学ぶ。

<授業計画と内容>

授業は、専任教員3名のリレー方式で実施される。具体的な内容は、以下の通りである。 それぞれ、イントロダクションと総括の回を含めて7~8回になる。

(1)図書館で西洋史の専門書や学術雑誌に触れることから始めて、研究の具体的な手順や論文の構成、議論のあり方などを学ぶ。

(2)歴史学(または隣接分野)でしばしば用いられる基本的な概念や考え方について、
テキストを読みながら学ぶ。

(3)実証研究の入門として、外国語で書かれた史料に触れ、そこからどのようなことが読み取れるかを考える。

(4)研究文献や史料に関する情報収集の方法をマスターすることをめざす。雑誌や文献要覧など冊子体の情報から、web上の様々な専門分野別の史資料サイトまで、実際に自分の仮の研究テーマとキーワードを設定して調査、検索し、有益な文献情報リストを一定のフォームに従って作成する。

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